中国は、世界経済大国への道をまた一歩進んだ。日本内閣府がこのほど発表したデータによると、昨年の日本の名目GDPはドル換算で5兆4742億ドルとなり、中国を4044億ドル下回った。これにより、中国は正式に日本を超えて世界第二の経済体になったことになる。「国際金融報」が伝えた。
▽逆転は想定の範囲内
日本のデータによると、昨年の日本の実質GDP成長は3.9%で、名目GDP成長は1.8%だった。不変価格に基づく計算では、昨年の日本の名目GDPは5兆4742億ドルで、米国、中国に続く世界第3位となった。日本はこれまで、42年間にわたって世界第2の経済体の座に君臨し続けてきた。
中国国家統計局が1月に発表したデータによると、昨年の中国のGDPは39兆7983億元(約5兆8800億ドル)で、中国は日本を超えて世界第2の経済体になった。不変価格に基づく計算では前年比10.3%増となり、増加スピードは前年よりも1.1%増加した。
日本経済の下降は、内需と外需の不振によるものだ。データによると、昨年第4四半期、GDPに対する内需の貢献度はマイナス0.2%、外需の貢献度はマイナス0.1%だった。
第一生命経済研究所の主任エコノミスト・新家義貴氏は「データから、個人消費が低下する中で経済が停滞に陥っていることが実証された」と述べる。
日本問題の専門家、外交学院国際関係研究所の周永生教授は「金融危機の影響を受け、日本のような外需依頼型の経済発展モデルは試練に直面した。一方、中国は巨大な国内市場と先進的な製造業により、世界第2の経済体となることができた」と述べる。中国の経済総量が日本を超えたことは、中国が世界経済強国に向けて、また一歩進んだことを意味する。「これは始まりにすぎない。中日両国の経済の差は今後も引き続き拡大するだろう」。
早稲田大学現代中国研究所の天児慧所長は、「中国GDPが日本を超えることは想定の範囲内だった。2002年に中国共産党第16回全国代表大会が開催されたとき、中国政府は2000年に1兆ドルだったGDPを2020年までに4兆ドルにまで引き上げることを提起したが、この目標は10年前倒しで実現した」との見方を示す。
現在の発展速度から見ると、中国の経済規模は10年以内に米国を超え、世界一の経済体になると予測する専門家もいる。
「日本経済新聞」は、「中国のGDPが日本を超えて世界第2となった2010年は、世界経済の歴史的なターニングポイントと言える。このことは、世界の重心が米国を代表とする先進国から巨大な成長の潜在力をもつ中国などの新興国へと移りつつあることを意味している」と指摘する。
「ウォールストリート・ジャーナル」は評論の中で、「このニュースは一つの時代が終わったことを示している。しかし中国が最終的に米国を超えることができるかどうかは、中国がどれだけ長く米国よりも速い成長スピードを維持できるかにかかっている」としている。