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中国パンダが日本政府と民間で再ブーム 「パンダ外交」効果顕著
中国からのジャイアントパンダの「比力」(ビーリー)と「仙女」(シエンニュ)が21日夜、上野動物園に到着した。22日付の香港紙「大公報」は、「こんな微妙なタイミングに日本に到着した2頭のパンダは、両国の国民感情を改善する第一歩になるかもしれない」と報じている。
以下、内容の抜粋:
中国が上野動物園にジャイアントパンダを貸与することに同意してからの中日関係は紆余曲折が続き、パンダの日本への到着を今日まで引き延ばした。これまで何度も「親善大使」の役割を果たしてきたパンダが今回も中日間の数年にわたるこう着状態を緩和するのではないかと期待が寄せられている。
中国外交の2大切り札といえば、「パンダ」と「孔子」だ。特にパンダは中日関係の親密度を図るバロメーターとなっている。パンダが初めて日本に渡ったのは中日国交正常化を果たした1972年のこと。1982年には10周年を記念してオスの「フェイフェイ」がし、中国は代わりに日本から第1次円借款3300億円を獲得した。
1992年の20周年には、中国が困難な国際的な環境に直面しており、日本の天皇が初訪中を果たすと、近親交配を避けるため日本生まれの「ユウユウ」と北京の「リンリン」が交換された。2002年の30周年には上野動物園が日本政府にパンダの貸与を中国側に打診するよう求める。
2008年4月に「リンリン」が慢性心不全で死亡すると、同年訪日した胡錦涛国家主席が日本滞在中に上野動物園につがいを貸与することに同意する。だが、その後の中日関係はゴタゴタが続き、2009年に鳩山由紀夫政権が発足するまでパンダ貸与についての交渉は停滞した。だが、鳩山政権もわずか9カ月で終えんを迎える。
注目すべきは「比力」と「仙女」の訪日時期が微妙であることだ。北方領土をめぐるロシアとの対立が激化し日本の外交が窮地に立たされているほか、菅直人内閣の支持率もついに20%を切るという局面に陥った。日本の政局はしばらく不安定な状態が続くとみられる。そんな時期に日本に到着した2頭のパンダは、中日の国民感情を改善する第一歩になるかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年2月23日