債務による日本の財政破綻を叫ぶ声が益々大きくなり、世論は加熱している。中国の専門家は、「日本の財政破綻起こる可能性」や「日本政府が取るべき措置」などについて分析した。
インフレによる財政危機は防ぎようがない
市場の変化が予想通りに行くことはあまりない。経済危機からアメリカを救うために、政府が行なった拡張的な財政政策と連邦準備制度理事会(FRB)が行なった超金融緩和政策は、日本政府と日本銀行の予想を超えていた。これにより、ドルは今までにないほど大量に放出され、市場で溢れたドルが新興国市場や原油や金などの大口商品市場に流入し、国際市場の商品価格は上昇、いち早く危機から脱出し、今後更に高騰すると見られている。
国際市場での大口商品の価格上昇は2002年からその傾向が見られた。金融危機が起こると通常は下落し、本来ならばそのまま価格調整期を向かえ、世界経済の回復を待つ。しかし、世界の経済市場は劇的に回復し始め、新興国の経済に関しては既に完全に回復し、勢いよく成長路線を走る段階まで来ている。一方、鈍い経済回復にあえぐ先進国は、金融緩和を止めることができず、過剰流動性を招いている。これは、知らず知らずのうちに大口商品の価格高騰を招き、世界的なハイパーインフレの第2波を引き起こす可能性がある。
現在、ベトナム、インド、オーストラリア、ブラジル、フィリピン、ロシア、ハンガリー、ルーマニアなどの国で過剰なインフレが起きているだけでなく、中国でも1月のCPI(消費者物価)指数が4.9%となり、既にクリーピングインフレ(緩やかに起こるインフレ)への懸念が高まっている。
先進国もまた心穏やかではいられない。アメリカ労働省は2月17日、1月のCPI指数が前月に比べ0.4%上昇、2010年通年でCPI指数は1.6%上昇したと発表した。これはFRBが定めた1.7%という限界ラインぎりぎりであり、2011年のCPI指数は調整目標を超えると見られている。2月14日、アメリカ政府によると、1月の輸入物価は1.5%上昇し、前年同期より5.3%上回っており、うち輸入食品物価は前年同期に比べ14.8%上昇した。経済成長率は3~4%で、インフレに向け動き始めており、クリーピングインフレが起こるのは時間の問題だ。悪性のインフレが起こるかどうかに関しては、今の段階で判断するのは難しい。
また、ヨーロッパの経済大国を見ると、ロイター・ロンドンの情報によると、2月16日、イギリス中央銀行(BOE、イングランド銀行)の総裁・マーヴィン・キング氏は、短期のインフレ率は4~5%になると述べ、インフレのレベルがコントロールできる目標を倍近く上回っていることが分かった。しかし、ヨーロッパの中でインフレが起きているのはイギリスだけではない。
韓国のインフレもまた深刻である。2月11日、韓国中央銀行は、1月のPPI(生産者物価)指数が前年同期に比べ6.2%上昇したことを発表、伸び率は前年12月より5.3%上昇した。2月16日、シンガポール貿易・工業局は、2011年のシンガポールのインフレ率は2~3%という予測を上回り、3~4%となるだろうと述べ、今年初めの数カ月のインフレ率は5~6%まで上昇する可能性があるという。
日本インフレの可能性