第6回中国人の日本語作文コンクール大会の表彰式が、去年12月18日午後北京の日本大使館官邸で行われた。湘潭大学日本語学科学生の陳娟さんは「日本語科の私と日本製のアニメ」という文章で、2等賞を受賞した。
陳娟(湘潭大学)
今学期、作文の授業で二〇一〇年四月十八日の朝日新聞「若い世代」の声が使われました。その中に「日中相互理解へ歴史を学ぼう」という私達と同じ女子大学生の「声」がありました。
彼女は研修のため中国に二週間滞在し、近くにある抗日戦争記念館を見学し、南京大虐殺や日本の侵略に関する写真を見て深く考えさせられたという。また、彼女は互いの国を知る努力をしなければ相互理解などできない、そして、相手の国の歴史と文化を知ることが重要だと思ったという。
私は初めてこの文章のテーマを見て衝撃を受けました。日常生活で日本人は歴史問題、特に中日戦争についての問題にできるだけ言及するのを避けるのをしっていましたから。よく読んだ後私も彼女と同じ考えを持っていることに気付きました。過去のことはもう過ぎたことです。中日両国民は誰でも明るい未来に憧れるはずだと思います。
とはいえ、中国のお年寄りにとって日本人は怖い悪魔と見られていました。確かに彼らから見れば戦争のことがどんなに悲しく、苦しいものであったのか想像に難くないです。実は、中国の農村にはこの戦争によって残された影響がまだ人々に深く残っています。
私にしてみても、日本語という専攻を選んだばかりに故郷に帰るたびに周囲の村民から「小さい悪魔が帰ってきた」といわれています。冗談だと分かりますけど、やはり日本人に対して深い偏見があるわけです。さらに、日本のアニメをみて友達に紹介しようとしました。そうするとまだ説明しないうちから、日本製だと聞いただけですぐ頭を振って見たくないという顔をし、なんとなく日本のものを避けていると私は感じました。
その一方、日本のアニメに対して興味深い現象もあります。
私の甥はまだ小学校三年生ですが、「こんにちは」、「まだまだですね」、「そうですね」など簡単な日本語を話すことができます。どうして話せるのかと聞いてみたら、日本のアニメ『犬夜叉』、『テニスの王子様』などを見てそれらのアニメから覚えたのだと言うのです。さらに聞いてみると彼のクラスメート達も毎日テレビで日本のアニメを見て学校で互いにおしゃべりしているそうです。日本製のアニメは中国の子供にとって友達との日常交流の話題になってきています。
甥は私の友達と同じ農村の子ですが、時代に伴って日本アニメに含まれた日本文化と歴史などがだんだん子供達の中に受け入れられているのです。私達青少年は戦争をよく知らない世代で未来の中日関係を左右できる世代だと期待されていますが、アニメのような日本製品は両国の交流手段としてよく役立つことのできる無形の外交官だと言えます。これは日本語を勉強している私にとってとても嬉しいことです。
また、高校時代先生達からは日本人と会ったらなるべく歴史という問題を避けるほうがいいと教えられましたが、でも、この「若い世代」の女子大学生の言うように相手国の歴史を知らないでどうしてその国を理解することができるでしょうか。それに、もう何十年も過ぎた記憶にそんなに拘る必要がないと思います。平和時代に育てられてきている甥のような子供達には戦争の歴史は確かに大切なことですが、最も一番にすべきことはやはり現在と将来を大切にし、貴い平和を守って再び戦争を起こさないように努力することなのだと私は思います。
あらゆる、メイドインジャパンはいいか悪いか適切な基準などなくて甥のような人によって受け入れ方が違います。やはり中日の歴史はこの「若い世代」の投書の声にある女子大学生のように積極的に考えるほうがいいと思います。
(段躍中編『メイドインジャパンと中国人の生活』より転載、日本僑報社提供)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年2月28日