日本の前原誠司外相は6日夕方、菅直人首相と2時間近く会談した後、記者の問いかけに無言で首相官邸を後にした。午後9時45分、前原外相は外務省で会見し、政治資金問題による引責辞任を表明した。問題発覚後の前原外相の迅速な辞任について、現地アナリストは国会での予算案審議への影響回避と菅政権への圧力軽減を狙ったものと分析している。菅首相は以前から、民主党が結党以来最も厳しい局面に直面していることを率直に認めていた。
前原氏の「献金スキャンダル」は4日の参院での新年度予算案初審議で発覚。前原外相、野田佳彦財相、蓮舫行政刷新相の3大臣が政治資金問題で追及を受けた。いずれも脱税企業から政治献金を受けた疑いだが、3大臣ともにすでに、あるいは現在全額返還の手続きを取っていると述べた。
最も注目されたのは、外相である前原氏が外国人から政治献金を受けていた問題だ。自民党の中曽根弘文参院議員会長、公明党の白浜一良副代表、社民党の又市征治副党首は6日、前原氏は辞任すべきとの考えを相次いで表明した。民主党内ではさまざまな声が上がった。岡田克也幹事長は「閣僚が事務的ミスだけで辞任しなければならないというのは妥当だろうか?」と述べ、外相続投を支持した。ある幹部は「速やかに辞任することで国会審議での批判をかわすことができる。前原氏個人の前途を考えると、次期代表の望みはなくなったが、将来再起することは可能だ」と語った。
1月の菅第2次改造内閣発足以来初の閣僚辞任について現地メディアは、支持率低迷の続く菅首相に追い打ちをかけることは間違いないと分析する。小沢一郎元代表批判の急先鋒とされる前原氏の辞任は親小沢グループを勢いづける可能性がある。後任人事については2011年度予算案の審議中であることを考慮し、菅首相の兼任、または松本剛明外務副大臣の昇格が考えられる。
外相の「献金スキャンダル」によって、自民党よりクリーンという民主党のイメージも大きく損なわれた。外交日程にも影響が出る。前原氏は14日にフランスで開催される主要8カ国(G8)外相会議に出席し、19日には地元京都市で日中韓外相会談を開催する予定だった。菅内閣閣僚への追及は終りには程遠い。野党は国民年金切り替え漏れ問題で細川律夫厚生労働相の責任を追及するとともに、菅首相の任命責任も追及する構えだ。菅政権はますます崩壊へと近づいている。
「人民網日本語版」2011年3月7日