▽回復のめどがたたない電子産業
復興の兆しが見え始めた自動車産業に対し、日本の電子企業の情況はそれほど楽観的ではない。
地震の影響により、ソニー、東芝、パナソニック、サンヨー、シャープ、三菱といった有名電子企業が相次いで一部工場を閉鎖し、今なお工場の長期操業停止や従業員の自宅待機という苦しい情況が続いている。
今月19日、ソニーの広報担当者・橘川千里さんはメディアに向けて「現在、ソニーはなお苦境の中にある」と述べた。ソニーはこれまでに宮城県、福島県、埼玉県、茨城県の8つの工場で生産活動を停止している。
東芝によると、埼玉県深谷市にあるパネル工場を約1カ月間閉鎖すると発表した。パナソニックは震源地に近い工場2カ所をすでに閉鎖し、富士通グループは工場10カ所を閉鎖し、ニコンは4カ所を閉鎖した。いつごろ生産を再開するかについて、各社は軒並み、しばらくは正確な予測を立てることができないとの見方を示している。
米調査会社HISアイサプライがまとめた統計によると、2010年には日本の電子設備の生産額が同年の世界市場に占めるシェアは13.9%に上り、半導体製品の生産額の世界シェアは20%を越えた。このたびの地震は日本のチップ工場の建物や生産設備にそれほど大きな損害を与えなかったが、設備の点検修理、電力の供給不足、交通の問題などがチップ製品の供給に影響を与え、日系ブランドの全体的な価格上昇につながる可能性があるという。
またある分析によると、このたびの地震は日本と同じく世界の重要なチップ生産拠点である韓国と台湾地区の情報通信(IT)企業にプラスの影響を与えた。韓国・台湾地区のパネル産業も、日本のシャープが苦境に陥る中でより多くのチャンス獲得を期待しているという。