NHKを例にすれば、1925年に創設された日本最大のラジオ・テレビ局であり、日本唯一の公共機関。NHKと言えば、あるテレビドラマを挙げずにはいられない。「おしん」だ。日本ドラマの視聴率で国内トップの記録を更新、また世界をも風靡した。前世紀に先ず香港、台湾で放送され、大陸では85年にCCTVが初めて放映、07年に湖南省衛星テレビが再放送している。
このドラマはNHKが制作した。NHKはドキュメンタリーも非常に有名で、中国と関連するシリーズ「激流の中国」を制作したことがある。
NHKがこのように独立していられるのは、政府やいかなる政治団体にも属さない「特殊法人」が理由だ。運営費は政府も資金を拠出しているが、全国の視聴者から徴収する受信料が主体で、財源の97%を占める。村上春樹氏は新作「IQ48」の中で、NHK受信料を徴収する父親のイメージを描き出した。日本の庶民にとって、お金を払ってNHKを見るのは常識、と言っていいだろう。NHK自身の公共として確約を誠実に守る必要があり、CMを流したり、宣伝したりしてはならない。
これらすべては実は法律に明確に記されている。「放送法」第3条のラジオ・テレビ番組通則で、「番組は、法律で規定された権限が制約されるのを除き、いかなる人の干渉または制限をも受けない」と規定。59条ある同法律では、44条がNHKの性質や業務の範囲、組織の方法などについて明確に規定している。
従って、NHKが何に制約されたのか、それを言うとするなら、それは法律となる。
言わなければならないのは、先ごろ、VOAが中国から撤退すると発表したことだ。これはこうした方法による宣伝を放棄しつつあることを宣言したものだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月6日