全国漁業協同組合連合会の服部郁弘会長(右から二人目)に抗議書を受け取ってから謝罪する東京電力の勝俣恒久会長(左から二人目)
福島第一原子力発電所の放射性物質漏れは依然として危機的状況が続いており、福島等沿岸地区の畜産業、漁業は重大な損害を蒙っている。
一部の農家は放射能汚染の危険を顧みず帰宅し、家畜が餌がないために餓死しているのを発見しており、一部の漁民は漁船を失い、放射能による汚染水が海にはいると今後数年間は漁ができなくなる可能性があり、原発の放射能漏れにより生計の途を断たれる事を心配している。
日本政府が福島第一原発から周囲20キロ内の住民を避難させた後、多くの農家は家畜をそのまま放置して何日も世話をしていない。現在、原発から20kmで約一万頭の牛の大部分が既に死んでいる可能性があり、その他の家禽や家畜の死んだ数も数千に登ると思われる。
池田光秀さんの家は原発から5キロの小熊町にあり、避難後一度家に戻ったが、数時間いただけでその輻射量は5ミリシーベルトで、法で決められた人体が毎年受ける事のできる輻射量の5倍である。池田の家の32頭の牛は今に至る迄、どうなったか状況はわかっていない。もしその所在がわかっても放射能を浴びた影響で売る事はできないだろうと池田は言っている。
漁業従事者の暮らしも同様に問題が多い。「政府は魚類は問題なく食べる事ができると言っているが、人々は福島産の海産品は買わない」「ここ数年の間は我々はここでは魚を獲る事はできないだろう」と、山形一郎さんは言う。
海産品の安全問題が日本人のすし好きな習慣に影響するのではないかと心配している者もいる。
小川誠一郎さんは東京の有名な築地魚市場のすし屋で調理師をしている。小川さんは、彼の店では原発の影響を受けていない西部地区からの仕入れを増やそうとしているが、しかし店の売上げは震災後50%減ったと言う。「日本の消費者はこのような食品の安全問題にとても敏感なので、すしを食べなくなるのを心配している。原発の放射能漏れの問題が解決する事が我々にとりいちばん大切な事だ」と語っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月7日