現在、私は日本に住んでいて、我家の小学生の娘には毎日30分ほど、中国語を学ばせている。学習のスピードは遅いけれど、徐々に進歩し、今では中国語の漢字をかなり覚えた。数日前からは、中国から持ち帰った小学2年の国語の教科書の上巻を渡し、娘に自分で読ませている。中国の小学2年の国語の教科書は、上巻だけをとっても内容はかなり豊富で、詩があり、寓話があり、更には童話もあって、娘の中国語の向上には必ず役に立つだろうと考えたのだ。
量の違い
小学生の娘は、2年生の国語の教科書を手にとり、目次を捲ってみて、すぐに驚いてこう言った。「お母さん、教科書の本文がいっぱいあるよ!」。そして、「日本の2年生の国語の本文は、これよりずっと少ないよ」、と言う。
それを聞いて、私は娘に日本の小学2年の国語の教科書を持ってこさせ、2冊を比較してみたところ、やはり、大きな違いがあることが分かった。中国の小学2年の国語の教科書は、上巻だけでも186頁、本文は34編あり、それ以外にも副読用の童話6編がある。けれど、日本の国語の教科書の上巻には、本文6編と副読用の1編があるだけで、全部を合わせても7編しかないのだ。
何と大きな違いだろうか。教科書の「量」の面からも、中国の子供は負担が重過ぎると思うし、また、日本の子供はラクをし過ぎていると言わざるをえない。
内容の違い
2冊の教科書の内容を比べてみても、かなりの差がある。日本の教科書の本文のテーマは、基本的に植物や海の生物などの自然が中心で、例えば、最初の本文は『ふきのとう』で、フキノトウという植物が春の雪解けの季節にどのように成長するかが書かれている。2番目の本文は『たんぽぽのちえ』で、タンポポが種を飛ばす方法を詳細に描写している。
中国の教科書の本文にも、自然を描写したものは幾つもあるが、殆どが情緒的、叙情的な内容だ。
日中の教科書で自然描写をテーマとした内容を比べてみると、日本の子供達が受けているのは理性教育で、内容が具体的であるのに対し、中国の子供達はより感性的な教育を受けているようで、抽象的な内容が多くを占めている。
理念の違い