16日午前、被災地に戻り、宿舎から身の回りの物を捜す中国人研修生=岩手県大船渡市。 |
宮城県女川町の水産加工会社「佐藤水産」に津波が押し寄せた時、同社専務の佐藤充さんは中国人女性研修生10人を真っ先に救護し、その後家族を捜しに自宅へ戻った際、津波にさらわれた。佐藤充さんは中国人にとって英雄となった。助けられた中国人女性研修生10人はその後、中国駐日本大使館・領事館の支援の末、祖国に戻り家族との再会を果たした。ウェブサイト「日本新華僑報網」が伝えた。
佐藤充さんの献身的な救助に感謝を示すべく、大連の研修生派遣会社は26日、社員5人を女川町に派遣、佐藤充さんの兄・佐藤仁さんに慰問の意を伝えた。
派遣会社幹部の王軍・氏は「女川町の中国人54人全員が無事助けられた。私たちは佐藤充さんに代表される女川町民の皆さんに心より感謝申し上げます」と語った。訪問前、同社は大連で深刻な被災を受けた女川町のために義援金を募った。女川町到着後、社員らは義援金を中国人研修生を受け入れていた水産会社9社に送り、女川町の復興の支援を願った。
佐藤仁さんは「私の弟はただ、一人の日本人として当然のことをしただけです」と応えた。震災に立ち向かった佐藤充さんを、中国国民は英雄と称えている。
「人民網日本語版」2011年4月27日