13日、東京電力本社での記者会見で頭を下げてお詫びする清水正孝社長(中央)と2人の副社長 |
司会者:鄭 興 房満満
発言者:劉江永・清華大学国際問題研究所教授
吉田陽介・日中関係研究所研究員
■民主党政権は未熟
記者:原発事故の深刻化を受け、外国メディアは東京電力の「6つの罪」を次々に非難している。今回の災害の元凶として産官学構造をはっきりと指摘するメディアもある。これはそうなのか?
吉田:東京電力の視点から言うと、強く大きな勢力を持つことができたのは自民党と長年深い関係にあったことが大きい。内部問題の多くがなかなか暴露されなかったのは、東京電力が多くのメディアにとって広告主であり、メディア(テレビ局、新聞社)はその運営を東京電力の資金に一定程度頼っていたからだ。このため東京電力の問題についてメディアはしかりと監視し、報道することができなかった。
劉:実は自民党時代から福島原発には隠れた危険が多々あった。たまたま民主党政権期に爆発しただけだ。また、民主党政権は経験不足で、各方面で未熟なため、こうした予想外の災害を前にして対応が間に合わなかった。自民党はこの点について強い圧力を加えている。
記者:菅直人首相は被災者を見捨てないと約束したが、被災地に迅速に救援物資を届けることができていない。菅首相は絶えず会議を招集しているが、余りにも多くの責任者を任命しているため、誰も本当の責任を背負わない。日本政府の働きに人々は満足していない。
吉田:政府の視点から言うと、菅内閣は地震の前から内憂外患の中、崩壊寸前だった。突然の地震によって菅首相は再び支持率を上げる機会を得た。このため菅首相は「政治パフォーマンス」に過度の精力を注いだ。菅首相は理工系出身なので、核危機への対応において良い提案をすることができた。だが東京電力と官邸との距離はつまるところ自民党と民主党との距離であり、政策を実行する側の東京電力は菅首相の考えを完全には実行せず、情報を隠した。
劉: 釣魚島(日本名・尖閣諸島魚釣島)問題の時、日本の右翼勢力は菅首相に圧力をかけ続け、各地で「倒閣」運動を行い、いわゆる中国脅威論を煽り、民族主義を刺激して、菅内閣を内憂外患の深みに追い込んだ。自民党は無論、民主党が地震によって再び支持率を上げることは望まず、表や裏での政党間の争いが災害対応に実際影響を与えた。