日本のコメは90%と高い自給率を誇るが、今回の震災で多くの田畑が海水に浸り、塩類化を起こした。そのため短期的には回復が難しいとされており、今年の減産は免れないといわれている。そうなると、輸入を拡大するしかなく、その候補に中国東北のうるち米があがっているという。
吉林省食糧経済学会の劉笑然秘書長によると、日本人はうるち米しか食さないことから、品種、消費習慣、地理的位置からして、東北のうるち米が一番に候補にあがる可能性が高いという。これは中国のコメ輸出業者にとっては大きなビジネスチャンスとなる。それまで日本が吉林省から輸入するコメは毎年約10万トンほどで、玄米が中心だった。
しかし米農業省のアナリストは、地震と津波による被災地での稲作の影響は限られているとの見方を示している。宮城と福島の東部の両県は深刻な被害に遭ったが、稲作は西部が中心で、コメの備蓄量が十分あるため、短期的にはコメを輸入する必要はない。
中粮集団と吉粮集団はコメの対日輸出を最も多く手がける二大手だが、吉粮が昨年日本に輸出したコメは3万トン余りに過ぎなかった。現時点ではまだ日本から輸入増加の発注は受けていないという。
対日輸出を拡大できるかに関しては、今年9月に東北の新米が市場に出回った後、輸出できる余力があるかを見極める必要があるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月27日