日本の製造技術は世界トップレベルであり、この技術を国内に導入できた場合、我が国の産業のグレードアップにとってプラスとなる。日本は技術の流出を懸念してはいるが、海外移転はもはや時代の流れとなっている。中国はこの流れの中から積極的に「中国製」のグレードアップの機会を獲得すべきである。困難に直面する日本企業に対し、中国は安全かつ障害のない生産環境を提供し、日本企業が我が国に移転されるようアピールすべきである。当然、中国も日本への直接投資を拡大したり、日本の中小企業を買収するなど積極的に働き掛けるべきである。
日本企業を誘致するにせよ、日本への進出を果たすにせよ、各方面からの科学的調査、検証が必要となる。日本企業を誘致する企業は自社開発技術を持ち、中国の産業グレードアップの要求を満たす企業でなければならないし、日本進出を果たす企業であれば、地震が頻発する日本の国情を考え、地震の少ない地域に拠点を置く企業と提携するか、地震の影響をあまり受けない産業領域で提携先を探すべきである。技術面からみると、省エネ・環境保護、新エネルギー、新素材、水処理インフラ、半導体・電子機器、精密機器、防災技術等が企業提携の重点になるとみられている。とにかく、我々は提携への熱意をもつとともに、何をすべきで、何をすべきでないかを見極める必要がある。
作者:馮昭奎 中国社会科学院日本研究所研究員
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月3日