文=CCTV人気キャスター 白岩松氏
サッカーの日本女子代表がワールドカップ(W杯)で初優勝を果たした。「すごい!」、「脅威だ!」というのが多くの人の共通の反応だ。この反応は、日本が1対0で開催国のドイツを破った時に始まる。「日本の栄光もここまでだろう?」と思われたが、日本はスウェーデンと米国を見事下し、ついに世界一の座についた。「すごい!」はその結果に驚く賛嘆の声。「脅威だ!」は日本の懸命さ、中国の現状と将来に対する思いが入り混じった声だ。
◇日本はどうして勝てたのか?
或いは日本の優勝は運が良かっただけかもしれない。ゴールポストに何度も救われたが、実力がなければ天も味方しない。ゴールが決まらなければ、いくら運が良くても勝てない。守りも攻めも申し分なかった。或いは日本の優勝は相手の油断のせいかもしれない。しかしドイツは油断していたかもしれないが、スウェーデンと米国はそんなことはないばずだ。しかし最終的に、日本はこの難関を突破した。日本はどうして勝てたのか?
日本の優勝は、昨年のスペインのW杯優勝によく似ている。どちらも1次リーグで黒星をつけたが、技術とパスでついに相手を下し、技術、ボール・コントロールを特徴とする流れを確立した。日本が優勝したもう一つの武器は、心を一つにして全力で守った不撓不屈の精神だ。
◇12年一巡り
日本優勝後、中国のメディアは12年一巡りという言葉を盛んに使った。12年前、中国と米国は決勝で対戦したが、中国は世界一にはなれなかった。その12年後、日本は中国が果たせなかったことを成し遂げた。
両者は似ているようだが、まったく異なる。われわれは過去を振り返るしかないが、日本は今を享受することができる。当時の女子サッカーは今ほどレベルも高くなく、身体能力、スピード、技術、戦術もそれhど重視していなかった。これから12年後、中国がW杯の観客に落ちぶれたとしても、日本はそんなことはないだろう。日本のサッカーは持続可能な発展の道をすでに歩んでいる。しかし、われわれはまだ道を探している段階だ。しかも探し当てた道が正しいのか誰にも確信はない。
日本女子サッカーに敬意と同時に脅威を感じる。また残念にも思う。その成功は特に新鮮なものではない。かつてはわれわれにもその技術、チームワーク、身体的な弱点を回避し、懸命に挑む精神があった。今やわれわれは羨望と嫉妬の眼差しを向けるほかない。われわれがかつて手にしていたものはどこへ行ってしまったのか?年月があまりにも無情なのか、われわれ自身が無情なのか?
◇中日女子サッカーは雲泥の差