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さらに、深く考えれば、その花火が夜空で大きな美しい画を描いて爆発した瞬間だけではなく、その前の「何時来る、いつくる」というワクワク感、そして爆発後の「長い余韻」の静寂も楽しんでいるところもありますから、「動」だけではなく「静」を愛でているともいえますし、わびさびの世界観として捉えれば、「静寂」のために「動」があるだけであって、メインは「静寂」なのかもしれません。
さて、純粋に「動」を楽しむ場合、目で花火を鑑賞しながら、手元に欠かせないものが、琥珀色の艶やかな生命の液体・・・そう「ビール」なわけです。
日本的な表現で言う所の「キンキンに冷えた」ビールをゴクリと飲み干す、というのが重要でありまして、中国の昔ながらの常温のビール、またはヨーロッパの地域でよくある少しだけ冷えたビールがぬるくなるのも気にせずゆっくり呑むというものとは、完全に異なった文化といえます。だから、「キンキンで、ゴクリ」これが日本のビールの基本マナーなわけですね。
世界の各地域のビールや、また飲み方は、それぞれの地域の食べ物や気候特性にあったものですから、イギリスのパブで語り合いながら、「キンキンに冷えた喉越し爽やかなビールをゴクリと飲み干す」というのは外気温やイギリス料理との相性がベストではないですし、また、夏に日本の花火をみながら蒸し蒸しと暑いなかで、常温のビールを飲むなんて、考えただけでも「うーむ・・・、帰ろうかな。。。」と思ってしまいます。
ところで、これらの日本の夏のビール文化を提供するサービスのひとつにビアガーデンがありますが、中国の大都市部、北京や上海などでは日本式のサービス施設として少なからず登場するようになってきました。もともとは日系ビジネスパーソン向けだったところも、次第に中国の現地の方々にも受け入れられてきているようですね。もともと、中国のビールは比較的あっさりとしていて、すっきりとした喉越しです。さらに気候についても北京や上海の夏は「十分に暑い!」ですから、ビアガーデンは日本と同じように楽しめそうであります(とくに、上海のねっとりとした蒸し暑さは、より日本に近い)。