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発信時間： 2011-09-08 16:03:19 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

3日後、尾山さんが那智勝浦町の家に戻ると、家の中はすっかり変わり果てていた。1階に流された土砂は1メートル以上の深さに達し、家具や家電は全て影も形もなくなり、1台の自動車が玄関の塀の上に跨っていた。記者が訪れた際、彼女は土砂の中からまだ使える物を探しているところだった。

43歳の田中宏文さん一家はこの町で畳工場を経営している。4日早朝に川の堤防が決壊し、工場の1階部分と倉庫が水に浸かった。損失額は2000万円に上ると見られる。田中さんは、「この辺りはよく豪雨が降るが、今回の台風の降水量がこれほど多いとはまったく思っていなかった」と話した。

「被害を受けた住民の間で畳の需要が高まるため、工場をできるだけ早く再開させたい」と語る田中さんは、政府に手当てを申請する準備を始めたが、具体的にどれほどもらえるかはわからない。また、「今もっとも困っているのは、後片付けを手伝ってくれる人と大型機械が足りないこと」と述べ、自身が運営する学校の生徒に手伝ってもらうことを明かした。

山奥の住民は、那智山の麓に住む住民よりもっと悲惨な状況だ。和歌山県災害対策本部によると、水、電気、通信が断たれたままの孤立状態の地区がまだいくつかある。しかもこれらの地区の住民の多くが高齢者で、非常に緊迫した状況だという。この日、救援にあたるヘリコプターが時おり記者の上を飛び、1分1秒を争って孤立した住民を救助し、救援物資を届けていた。

｢中国網日本語版(チャイナネット)｣　2011年9月8日

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