「九一八」事変80周年記念活動を複雑な思いで見る日本

「九一八」事変80周年記念活動を複雑な思いで見る日本。

タグ:九一八事変,反日行動,自己省察

発信時間:2011-09-20 16:08:54 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国の盛大な「九一八事変」(日本名:柳条湖事件、満州事変)80周年記念活動に日本は複雑な思いを抱いている。日本の大手メディア電子版では「中国の東北三省でサイレンが鳴り響く」「政府系メディアが強硬な社説を発表」「瀋陽の青年が日本国旗を燃やす」が18日の報道の焦点となった。日本メディアは「瀋陽の青年が日本国旗を燃やした」ことを大げさに報じ、これを「反日行動」と解釈しており、自己省察の声はまれだ。日本に長く住むJCC新日本研究所の庚欣副所長は環球時報に「日本の3大紙である読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞の18日付朝刊に『九一八事変』の文字は1つもなかった。日本メディアは道理に合わない自国の歴史的事実に対して、自らは語らない傾向を強めている」と指摘。清華大学国際問題研究所の劉江永氏も18日、環球時報に「中国抗日戦争の重大な歴史的事件の記念日を迎えるたびに、日本の一部メディアは特別な関心を寄せる。彼らは中国で過激な行為が起きることを少し『望んで』すらいる。針小棒大に報じて目玉ニュースにするためだ」と指摘した。

「柳条湖事件記念式典で中国の若者が日本国旗を燃やした」。共同通信が18日に報じたこのニュースは日本メディアに広く転載された。共同通信は「記念式典会場周辺で30人近い若者グループが日本国旗を燃やすなど『反日行動』を行った。若者らはバイクに乗り『小日本(日本の蔑称)』などを叫んでいた。『釣魚島はわが国固有の領土だ』との旗を掲げた車両数台も会場周辺を通行した」と報道。さらに「昨年『釣魚島船舶衝突事件』で日中関係が悪化した際も、民間人が日本国旗を燃やすなどした」と指摘した。朝日新聞のニュースサイトは「瀋陽の若者グループの1人が『日の丸のようなもの』を燃やした。『反日行動』の拡大を防止するため、警察当局は記念会場周辺に1000人以上の警官を動員し、治安を維持した」と報じた。時事通信は「『反日騒ぎ』は大きな混乱はなかったものの、『深い恨みは一体いつまで続くのか』と感じずにいられない」と報道。さらに中日民間の関係が過去最も冷え込んでいることに触れ「歴史問題と現実の利益の衝突が完全に重なり」、中日民間感情の改善は「すでに重荷を背負わされている」と分析した。


右翼メディアの「産経新聞」は18日、中国の記念活動に異常な関心を示し、速報を連発したうえ、社説で日本の無実を訴えた。社説は「満州事変は日本の中国侵略の始まりとして断罪された。だが『事変の本質はそれだけでは語り尽くせない』「この事件は日中双方に責任がある」「記念式典を通じた日本糾弾は中国で膨張する民族主義の集中的な体現だ」としたうえで、「日本の未来を担う子どもたちは歴史を学ぶ際、東京裁判の断罪史観にとらわれない幅広い見方を学ぶべきだ」と呼びかけた。「時事週刊」は17日号で「歴史問題において、中国は『大国主義』へと向かっている。中国にとって日中戦争に対する反省と再解釈は、日本に圧力を加え、国民の結束を強化する手段となっている」と報じた。フジテレビは「中国は歴史を記念するのは『国恥を忘れず』『より未来に着眼する』ものとしているが、これは周辺国、特に日本に対する寄り強硬な外交路線を孕んでいる」と報じた。

庚氏は「『九一八』は毎年記念活動が行われるが、日本にとってはますます深刻なものとなっている。中国の国力が年々高まるのを前に、こうした抗日戦争記念日における中国の悲しみの情は日本にとってますます大きな圧力となっている。大多数の日本人は、九一八事変は日本の歴史における『最も不名誉な1ページ、最も誤った一歩であり、後戻りできない戦争への道の始まりだった』と考えているが、批判の大部分は技術的、戦術的誤りに集中しており、政治的、道徳的な深い省察はまれだ」と指摘する。劉氏は「日本の若者は中国侵略の歴史について『どっちにしろ自分がしたことではない』と考えている。中国に対する彼らの反感は、日本の右翼勢力に特に引き出されやすい」と指摘する。

西日本新聞は18日付で「日本と中国『等身大』の相互理解深めたい」とする社説を掲載。「柳条湖事件80年にあたり、日中は初めて大国同士として相対している。21世紀はアジアの世紀であり、その核となるのは日本と中国だ。だが反日、反中感情は戦争を経験していない両国の若者たちに特に目立っている。これは実に憂慮すべきことだ」と報じた。毎日新聞地方版は17日付で、九一八事変時に中国にいた残留孤児がすでに白髪の老人になっていることに触れ、彼らが17日に高知県で開催された『満州事変80周年の集い』で、当時の悲惨な体験を語り、同様の悲劇を決して繰り返してはならないと強調したことを伝えた。だが18日の日本で、こうした省察の声は明らかに少なすぎた。

「人民網日本語版」2011年9月20日

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