11月14日、巴金の娘、李小林さんと井上靖の息子、井上修一さんが面会し、著名な文豪と知られた父親同士の友情を語り合った。
大作家巴金の生誕107周年の記念日を前に、日本の文豪井上靖の長男、井上修一さんとその娘の浦城いくよさん、そして日本文化交流協会一行が14日午後、上海に到着し、巴金の生家を訪れた。
両国の氷を溶かす旅
李小林さんによると巴金と井上靖の初対面は1961年3月26日。巴金が北海道の井上の家を訪れ、コーヒーを飲みつつ、文学の話題に花を咲かせた。初対面にもかかわらず、昔からの友達のようだったという。
2人が初対面を果たした当時、中国と日本はまだ国交を回復していなかった。巴金は当時を振り返り、「日本に行ったときは所々で障害にあったが、井上靖先生のように日中友好活動に熱心な方が、常に援助の手を差し伸べてくれた」と語っていた。
二人の友情は30年以上続いた。『敦煌』などの名著で知られる井上靖は生前27回中国を訪れている。中国文化への思い入れが強かったのだ。井上は中国に来ると必ず巴金のもとを訪れた。一年に数回面会することもあった。井上修一さんは、「父に友達はたくさんいましたが、父は『巴金先生は数少ない親友の一人だ』と言っていました」と振り返った。
本心で語り合える友達