中国がビジネスモデルを改めて「ゆっくり見直し、考え始める段階」になったことがいろいろな面から見ることができます。これまでは、特にサービス産業では「何でも混ぜあわせてやってみた」というようなガムシャラな発展途上国型のビジネスモデルが殆どでありましたが、先進国で留学したMBAホルダーや、外資系企業にもともと所属していた優秀なビジネスパーソンがヘッドハンティングされて、中国資本大手企業の幹部に登用されるようになり、経営知識の面からも、経営現場の面からも、先進的な技術を取り入れた「科学的ビジネス手法」に変遷してきたように思います。(ブランドや戦略というような、目に見えにくい経営資源にまで考えが及ぶようになって来ました。)
もちろん、これは中国国内でも一部の大企業であって、まだまだ多くの企業は、以前の中国的なビジネス手法でありますが、それでも上述の例ではありませんが、次第に先進的な大企業のマネジメント技術が、中堅企業の技術にとりこまれていくことになるでしょう。
企業の「何でも型」から「科学型」へのビジネス手法の変化は、社会へのメリットとしてはある程度予測可能な、安定した経済発展をもたらすことといえます(少なくとも現状の先進国のサービスレベルまで都市部では到達するほどに、都市部経済は発展するでしょう。)。各産業での発展に伴って、製造業からサービス業への労働シフトも進みますし、サービス業においては企業間競争がさらに激化し、ニッチな製品サービスを提供する企業も誕生し、市民生活は格段に良くなっていきます。
面白い具体例を挙げます。つい先日僕も知ったのですが、「http://bj.ele.me/」というテイクアウェイ委託サービスというものが出てきました(他にも同様のサービスを提供する企業はあります。)。これは、各都市の飲食店・レストランで注文する際に、顧客の代わりにこのele.meが購入し、それを自宅まで届けてくれるというサービスです。顧客はわざわざ外出する必要なく、また飲食店側も宅配サービスに専門のスタッフを配置する必要がなく、このele.meが顧客と飲食店の間にたってテイクアウェイを痛く代行するというようなものですね。このビジネスモデルの潜在的可能性、また解決すべき課題点については、ここでは詳細に書くことを割愛しますが、こうした派生産業のような製品・サービスがでてくることが、社会におけるビジネス連関の高度化といえるでしょう。