呂公使(右)に著書を贈呈する江原氏。段躍中撮影
12月6日夜、『上海万博とは何だったのか―日本館館長の184日間』出版祝賀会は、東京の中国大使館商務部で開催された。中国大使館呂克倹公使、本書著者で前上海万博日本館館長江原規由氏、前上海万博日本政府代表塚本弘氏、日本関税局長柴生田敦夫氏、在日中国企業協会副会長張際慶氏、出版元日本僑報社編集長段躍中氏など各界代表約50人が参加された。
祝賀会の前に、『上海万博とは何だったのか』に関する座談会を開催した。江原規由氏が本書の執筆経緯を中心に、上海での184日間の仕事と生活ぶりを紹介した。江原氏は次のように述べている。
「万博史上最大となった上海万博のテーマは「よりよい都市、よりよい生活」で、「都市」が初めて万博テーマとなった万博でした。246の国・地域・機関が参加、会期184日間に7300万人が参観しました。これほどの規模の万博はもうないでしょう。
上海万博開催年の2010年に、中国は世界第二位の経済大国に躍進しました。上海万博ほど主催国が意識された万博はなかったでしょう。世界における中国の存在感が高まっていることを日々感じました。
閉幕が直前に迫ったある日、万博会場で、あるスローガンを見て、ふと考えさせられました。そのスローガンとは、「中国元素」と「世界看中国 中国看世界」(世界が中国を、中国が世界に目を向ける)でした。
農村から、超VIPの居城~北京中南海から、ありとあらゆるタイプの人たちが内外からやってきました。多くの出会いがあり、数えきれないほどの喜怒哀楽があったはずです。本書は、こうした人との巡り会わせと上海万博の醍醐味を中心に構成されています。
中国の経済、社会、そして、人々がもっているダイナミズムとエネルギー、中国と世界の関係などについても、上海万博をフィルターにして論じています。本書が、等身大の中国を知る上で、読者に少しでもお役に立てれば何よりです。」
呂克倹公使は上海万博特に日本館を見学した体験を触れながら、江原氏の著書を高く評価した。丁寧にまとめられた本書は、上海万博の歴史を後世に残した貴重な記録であり、中日友好交流の印でもある。多くの方に読んでほしいと呂公使は挨拶の中に強調した。
著者の江原規由(えはらのりよし)氏は、1975年東京外国語大学卒業後、日本貿易振興会(ジェトロ)入会。1993年よりジェトロ大連事務所開設・赴任。2003年ジェトロ北京センター所長、企画部事業推進主幹(中国・北アジア担当)、海外調査部主任調査研究員を経て、2010年上海国際博覧会日本館館長、同日本政府副代表。2011年国際貿易投資研究所(ITI)研究主幹。中国経済専門家。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年12月12日