時代を映し出す鏡 日本メイクアップの変遷を辿る

時代を映し出す鏡 日本メイクアップの変遷を辿る。 日本女性にとって、メイクアップは生活の一部であり、自分を美しくするだけでなく、教養レベルの表現方法でもある…

タグ: メイクアップ,日本女性,東日本大震災

発信時間: 2012-01-27 09:43:20 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本女性にとって、メイクアップは生活の一部であり、自分を美しくするだけでなく、教養レベルの表現方法でもある。人間関係を構築する上で重要な働きがある。数十年、日本のメイクの流行傾向をつぶさに見てきて、メイクアップは社会環境や時代の雰囲気と関係あることにようやく気づいた。これは社会を映し出す鏡でもあるのだ。

17日、東京で流行メイクアップ講座が開催され、業界専門家である原島麻由美さんが日本のメイクアップの変遷について話をした。1960年代、東京オリンピックをきっかけとして日本経済は高度成長期に突入した。人々は欧米人の容貌のシルエットを追及し始めた。この時期は欧米式メイクの時代といえる。1970年代になって、日本は世界の先進国と肩を並べるようになり、化粧品の広告でも欧米のモデルから日本人のモデルへの転換が始まった。東洋の美意識が強調され、日本のナチュラルメイクの時代が始まった。

1980年代に入ると、雇用機会均等法により女性の社会進出が拡大、彼女たちは更に自信をつけていった。この時代のメイクは眉毛のラインが太く、あまり過多な装飾をせずに唇のアウトラインをはっきりさせ、より鮮明な色彩を使うという特徴がある。1990年代になると、バブル経済がはじけて女性を含む日本社会は自信と活力を失った。メイクアップも自立性や個性を失い、ライトでナチュラルな傾向が強まり、透明感を重んじる時代に入った。

21世紀を迎え、社会は徐々に多様化していき、トレンドも多様化の時代を迎えた。これまでずっと首位を占めてきた“かわいい”メイクに、“美しい”という要素が加わり、これに透明感と上品な雰囲気という新しいバランス感覚を持つメイクアップが誕生した。

2008年に起こった金融危機という巨大な衝撃で、日本は不景気のまま2010年に入った。2011年の大震災は日本国民に強烈な不安感をもたらした。この間、メイクも「優しさ、穏やかさ」という傾向が見られた。大震災によって人々がより安心、安定を求める心理が読み取れる。

原島さんはこの講座で興味深い現象を紹介している。 「女性の元気は口紅から始まる」という「口紅効果」だ。この理論は1930年代、米国経済の大恐慌時代に口紅の消費が大きく増加したことに最初表れた。専門家は、このような現象の原因が経済不況にある場合、女性は不動産や自動車などの高価な商品を買えないので、口紅という比較的安くて気持ちを和ませてくれる商品に走るのだと考えている。

日本で東日本大震災と福島原発事故が発生してから、東北地区の化粧品の消費はひとたび大幅に落ち込んだが、2週間がたつと回復を始め、震災後2カ月で元の水準に戻ったという。中でも販売が最も好調だったのはやはり「口紅」だった。

口紅が牽引する化粧品消費の現象や原島さんの「日本の化粧文化の考え」から、日本人女性特有の心理的特長が見て取れる。

時間がかかるアイメイクと比べ、口紅やチークは比較的簡単に生き生きとした表情を作ることができる。鏡を見てちょっと描けば、瞬間ではつらつとした表情になれ、気持ちも明るくなってくる。原島さんはこれは震災後の日本の被災地の女性がまず口紅を購入した理由の1つであるという。震災以降の日本人女性にとっても、1本の口紅ががんばろうという力を沸かせる動力となり、辛さから逃れるよいきっかけになるのだろう。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年1月27日

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