キャラクターグランドデザインから玩具工業デザインまでをすべて監修された、まさに日本を代表する玩具業界の『巨匠』ともいえるべき村上氏によれば、キャラクターとしてのドラゴンは中国でのキャラクターマーチャンダイジングとして大きなビジネスチャンスになりうるとのことでした。
僕が中国各地を研究調査した中で、中国のコンテンツ産業の弱さの源泉は、キャラクター開発力の弱さです。アニメであれ、漫画であれ、玩具であれ、クリエイティビーティー(中国語で「原創力」)というものが根本的に弱いです。これは、日本人だけが感じているということではなく、中国のマーケット(一般消費者)および、中国のこうしたキャラクターをつくる企業そのものが感じている問題でありまして、そのために中国企業はこのクリエイティビーティーを習得するために「最近になって」努力をするようになって来ました。
中国の漫画やアニメが好きな方たちにきいても、日本の漫画やアニメが好きという回答がかえってきます、なぜ中国原作のものが好きではないかというとキャラが「浅い」ということが主な理由なようです(中国作品も3D技術を使ったりと、絵画表現手法は決して悪くはない)。
村上氏いわく、こうした中国の現在のコンテンツ産業状況において、まずはキャラクターを制作する企業が「とっかかりやすい」ドラゴンから派生したキャラクターをつくりこむことは、中国企業にとってキャラクターのグランドデザインは「何たるか」ということを、理解する第一歩になるだろう、とのことです。