これは面白い示唆でありまして、確かに中国企業がクリエイティビティーという「つかみにくいもの」「わかりにくいもの」を学んでいく場合に、身近で、自らもイメージしやすい既存のキャラクターからエンジニアリングをしていく。完全に新しいものから創るのではなく、既存のものを作り込むという作業です(ちょうど学生バンドが、オリジナル曲からではなく有名楽曲のコピーからはじめていくようなものでしょうか)。キャラクターに対して真剣に向き合い、その要素を分解し、再構築し、新しい要素を付加するという、一連の作りこみのプロセスが、クリエイティビーティーを培う第一歩となるのだろうと思います。その意味では、今年はドラゴンイヤーでもありますので、実際のコマーシャライズ(商品化)までも到達しやすいというタイミングでの後押しもありまして、中国企業のみなさんはぜひこれにチャレンジすると良いのではないかと思いますね。
村上氏もこれから中国内でのクリエーター育成に力を入れていきたい、日本で培ったグランドデザインを伝播していきたいということですので、今年のドラゴンイヤーは巨匠・村上克司(中国語訳ではさながら、『原創大師』とでもなりましょうか)に注目であります。
さきほどの問題の回答です。中国のドラゴンの眼は一説によれば「ウサギ」とのことですが、日本では「エビ」だそうです。ドラゴンのように文化を超越した意識共有となるように、政治状況はともかくとしても、今年の日中両国の「民間」交流が良い方向に動くようになってほしいですね。
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※村上克司氏へのコンタクトはコチラ(http://kozi.jp/polact_enq.html)からメールにてお問い合わせください。
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(中川幸司 アジア経営戦略研究所上席コンサルティング研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年2月7日