日本は電力供給危機に陥る恐れがある。福島第一原発の事故の影響で、原子炉54基のうち50基が故障や定期検査などで運転停止となり、残り4基も今年4月末までに定期検査に入る予定だ。政府が打ち出した各政策から、定期検査が終了しても原発は計画通り運転再開できず、今春以降、日本の発電量の3分の1を占める原発が供給を完全に停止する。
高まる「脱原発」の声に対し、日本政府はエネルギー政策の転換で、太陽光や風力などのクリーンエネルギーに力を入れると強調しているが、すぐに効果が現れるものではない。今日本の目の前に置かれている問題は今春以降減る3分の1の電力をどうするかだ。
日本経済団体連合会の調査によると、電力不足の問題が2~3年続けば、国内製造業の生産高が減産や生産停止で6割減少する見通し。これで「産業の空洞化」と失業問題が深刻化するのは間違いない。
現在の情況では、日本は火力発電で一時的にしのごうとしているが、これでは長期的な対策にはならない。火力発電はコストが高いなどの問題がすでに大きな「副作用」となり始めている。
最近、火力発電で増加した費用を賄うため、東電は企業向け電気料金を17%値上げすると同時に、家庭向け電気料金を大幅に値上げする準備をしている。電気料金の値上げは企業の経営コストを高め、日本企業の国際市場における競争力を下げ、家庭向けの電気料金の値上げは不況に陥っている日本人の財布のヒモをかたくし、元気がない内需に冷や水を浴びせるだけだろう。
環境保護の角度からも、再生エネルギー発電に対する期待は高い。しかし日本の太陽光や風力などの再生エネルギーの発電量は日本の発電総量の1%ほどで、発電コストも高く、しかも天候によって左右される。
近頃民衆にいい印象残そうと民衆の声に応え、日本政府は40年以上運転した原発の原則廃止を決定した。こうした行動は安全に対する国民の声に応えたものだが、廃止後の電力供給をどうするかという難題が残っている。「脱原発」の道をどう歩むかは確かに容易ではない。(日本新華僑報 蒋豊編集長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月10日