日本の貿易赤字は一時的な現象の可能性

日本の貿易赤字は一時的な現象の可能性。 日本の人材面と技術面の優位性は今も健在で、自動車、電子、半導体などの輸出には依然として大きな競争力がある。円高は短期的には日本企業の国際競争力を弱め、輸出に影響を及ぼすかもしれないが、資源、エネルギー、貨物の輸入や海外投資、海外企業の合併には十分有利である…

タグ: 貿易赤字 日本 輸出依存 円高 

発信時間: 2012-02-09 16:55:18 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本が2011年に31年ぶりの貿易赤字を計上し、赤字額は340億ドルに上ったことが発表されてから、日本は輸出主導型の経済を見直す必要があるのではないかということが議論されている。

日本経済の輸出依存度は高くなく、輸出額の対国内総生産(GDP)比は最高でも15%以下となっている。しかし、日本の輸出は伸び率がその他の主要経済指標を上回ると同時に、自動車や半導体・電子など変化の著しい産業に集中していることから、経済に与える影響が大きいことは確かだ。中でも自動車は、生産の約半分が輸出されている。また、自動車産業と自動車部品産業の生産額は全産業の15%を占め、鋼鉄、化学工業、電子、IT産業とも密接に関わり、製造業の中心的存在であるため、わずかな動きが全体に影響する。

バブル崩壊後、日本経済は長期低迷に陥った。輸出依存度は高くないが、急激な高齢化、労働力と人口の減少、国内市場の飽和により、個人消費や設備投資などの主要経済指標は低迷状態が続き、そのために輸出は日本経済においてますます重要になっていった。輸出は景気回復の「起爆剤」であるだけでなく、最大のけん引力でもある。輸出増加は日本の景気を良くするが、輸出減少は萎縮させる。

日本の輸出への過剰依存という経済構造に大きなリスクがあることは明らかだ。内需拡大は確かに非常に重要だが、構造調整は簡単にできることではなく、相当の時間がかかる。実際に、日本は1980年代中ごろから米国の圧力を受けながらも内需拡大を目的とした構造調整を行ってきたが、実現していない。特に、昨今のデフレや人口減少という状況下で、内需を大幅に伸ばせるかどうかはもっとわからなくなっている。震災後の復興は内需をある程度けん引するが、復興作業が終わればこのような効果はなくなり、日本経済の輸出依存を根本から変えることは難しい。

日本の貿易赤字は長期的なものではない可能性もある。2011年に赤字になった主な原因に以下の点が挙げられる。東日本大震災とそれに伴う津波による産業のサプライチェーンの寸断、電力供給不足による減産。その後の円高、タイの洪水、海外経済の成長鈍化により輸入額が2.7%減少したが、原発の損失を補うために石油や天然ガスなどの火力発電の燃料を大量輸入したことで、輸入額が12%増加したこと。しかし、日本の人材面と技術面の優位性は今も健在で、自動車、電子、半導体などの輸出には依然として大きな競争力がある。円高は短期的には日本企業の国際競争力を弱め、輸出に影響を及ぼすかもしれないが、資源、エネルギー、貨物の輸入や海外投資、海外企業の合併には十分有利である。長期的に見て、円高は貿易の条件を良くし、貿易の更なる発展に有利となる。

過剰な生産能力と狭まる国内市場は、大幅な需要不足を生じさせた。これは日本が中期、さらには中長期にわたって輸出依存から抜け出せないことを示している。欧米経済の低迷が続き、世界経済に大きな不確定性があるが、中国をはじめとするアジアの国・地域は堅調な伸びを維持し、巨大な消費市場圏を形成している。日本のアジア諸国への輸出は輸出総額の半分を占めることから、日本経済の希望は中国とアジアにあることは明らかである。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年2月9日

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