日本の財務省が20日発表した貿易統計速報値によると、東日本大震災後に自動車などの輸出が大幅に減少したため、日本は5月に単月として過去2番目となる巨額の貿易赤字を計上した。日本政府は輸出の大幅な減少は欧州債務危機の悪化によるものとしている。上海証券報が伝えた。
4月に輸出額が前年同期比12.4%減少したのに続き、5月の輸出額は同10.3%減となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト25人による予測値は同8.4%減だった。5月の貿易赤字は8537億円で、2カ月続けて赤字を計上。09年1月の9679億円に次ぐ巨額の赤字を記録した。
与謝野馨経済財政担当相は同日、日本企業の生産力回復は予想以上に早まる見通しであり、欧州の債務問題が輸出の不確定要因との見方を示した。与謝野氏はさらに「貿易赤字は深刻な問題だ。一時的なものなのか構造的な問題なのかを見る必要がある」と指摘した。
「生産力の回復は次第に明らかになっているが、海外経済の成長鈍化を考えると、日本経済が長期成長を遂げられるかどうかは依然予測困難だ」。RBS証券の西岡順子チーフエコノミストは「今年遅くにV字回復する可能性は低いようだ」と指摘した。
だが日本政府が20日に発表した6月の月例経済報告は景気の基調判断を「弱い動き」から「依然として厳しい状況にあるが、上向きの動きが見られる」に上方修正した。上方修正は4カ月ぶりだ。一方、欧米や新興市場国の将来の景気減速をリスクに挙げて、世界の景気判断は28カ月ぶりに下方修正した。
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の正直知哉マネージングディレクターは20日「震災によって日本の債務不履行リスクが大幅に高まることはない。経常収支は黒字を維持できるし、必要時には日本銀行が貨幣を発行して債務を返済できるからだ」と指摘。「震災前、日本の社債は全体的に魅力がなかった。だが震災後に日本と他国の間の金利差が拡大したことで投資の機会が生じた」と述べた。
このほか、円高も輸出減少の重要な要因の1つと見られている。内閣府は9日、第1四半期の国内総生産(GDP)を3.5%減と発表した。トヨタ自動車とホンダも円高と地震の生産への影響による純利益減少の見通しを発表。生産を海外に移転する可能性を表明している。
「人民網日本語版」2011年6月22日