資料写真:09年の人類発展の指数
資料写真:高齢化が深刻になりつつある日本
日本は高齢化社会に向かう中で今後、非常に重要な役柄を演じていくだろう。人口構造に変化が生じ場合、社会や経済、政治面における変化にいかに対応したらいいのか、世界に示すことができるからだ。人類発展の指標を基準にして計れば、日本は成功を極めた後に発展した国である。シンガポールの中国語新聞「聯合早報」が報じた。
●高齢化対策が主導的な役割を果たす
出生率が非常に低い、老人が非常に多い、経済が低迷して20年になる、というのが現在、多くの人の日本に対する印象である。いわゆる論評、印象なるものにはいずれもかなり道理があるようだ。ただ、子細に考えてみると、こうした問題は実にマイナス、消極的なものにすぎない。
グラス半分の水は、半分が空なのか、それとも半分満たされているのか、それは主として観点の相違によってもたらされる。日本はバブル崩壊後、依然として土地は狭く、自然資源は乏しく、人口密度が高い状況の中で、社会は高度な安定を維持し、労働人口の収入は安定し、生活水準は絶えず向上している。家計貯蓄の総額は15兆ドル。経済が急速に成長している国ですら、生活水準向上の程度は、必ずしも日本の生活の資的向上ほど普遍的ではない。
世界は今、これまで経験したことのない地帯に足を踏み入れつつある。出生率が低下し、平均寿命が伸びたことで、人口の高齢化が進んでいるのだ。世界の60歳以上の人口は、1950年の2億から現在では7億6000まで増えており、50年には20億に達する見込みだ。先進国であれ、発展途上国であれ、人口に占める60歳以上の比率は例外なく上昇していくだろう。こうした現象はこれまで経験したことがないため、歴史の教科書をひも解いて対策を見いだすのは根本的に無理であり、石に触れながら河を渡る形で対処していくしかない。
日本は真っ先にその矢面に立ち、この見知らぬ地帯に足を踏み入れたため、その将来について、日本人自身をも含む全世界が偏った判断をするようになった。だが、それはたまたま日本がその他の国の先を行っているだけにすぎないなのだ。現在のいわゆる日本の問題は、日本特有の課題では決してなく、人類社会の発展史における新たな趨勢、新たな潮流、新たな常態なのである。
●低成長をどう解決するか観察すべき