●低成長をどう解決するか観察すべき
資料写真:消費税の引き上げを反対する日本の国民
この数十年内に経済的飛躍を遂げることができた国は、いずれもそうだ。だが、人類社会の長期的な発展が、数十年という短期間の成功のみに限定されるということはないだろう。この角度から見れば、日本の過去20年来の経済低迷の経験は、ひょっとすれば、高度経済成長期の経験に比べればずっと貴重かも知れない。しかも日本が将来決定する政策の1つひとつが、その他の国にとって有形かつ明確な手本となるのではないか。そのため筆者は、日本経済はどうでもいい存在になる、などとは考えていない。
日本の膨大な債務は問題ではないのか、と問う人もいるかも知れない。でも、これはやはり大きな問題ではない。日本は欧米の債務国とは本質的に異なり、世界的で貯蓄率が最も高く、日本が次ぎの債務危機国になるなどあり得ない。
日本政府は債務問題を解決する方法を熟知している。現在、与野党間では消費増税をめぐる議論がかまびすしい。日本人の大半は引き上げを望んでいないものの、遅かれ早かれ、消費増税が債務解決の即効的な方法であることを理解してくれるのではないか。
また、低出生率と高齢化で将来、日本はより厳しい経済問題に直面するのではないか、と問う人もいるだろう。周知のように、経済成長するには労働人口のサポートが必要だ。膨大な老年人口を抱える国では、労働人口の比率と労働参与の程度が相対的に低いことから、経済成長の減速が直接もたらされる。だが、人類の個人的行為と機構メカニズムは環境と需要の違いによって、弾力的に変えることができる。たとえば、人びとの教育レベルが向上し、人的資本が徐々に増加していけば、平均結婚年齢も次第に上昇する。新生児の死亡率が低下していけば、1人の女性が一生に産む子どもの数を示す合計特殊出生率もそれに伴って低下する。
同じ道理で、平均寿命が伸びてお年寄がずっと健康になったことから、十分な老後資金を蓄え、退職しても一定程度の生活を維持できるようにと、退職年齢も引き延ばされた。このようにして、労働人口比率はバランスを取り戻し、一方で、労働力の自然不足状態にあった経済界が設備投資の増加に踏み切ったことで、労働力はより生産力を備えるようになった。
日本はさまざまな問題に直面している。非常に難しい問題かも知れないが、克服できないことではない。日本の成功は、灯台であり、人類社会の持続的な発展に向け照ら出してくれる航路となるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年2月9日