また、学生の経験不足以外に、学校の指導教員自身がその指導に対して自信を持っていないという実情もある。『読売新聞』の取材で、女性教員(31歳)がその胸の内の不安と恐怖を語った。ここ数年、教員たちの柔道の理論や知識、技術ポイントに対する理解は深まってきたが、実践的教育の機会はそれほど多くはない。場合によっては、若い教師が自身にとっても初めての授業で、柔道について何も知らない生徒たちと向き合わなければならないこともあるという。このような授業の組み方では、潜在的危険が確かに多く、安心して練習に取り組むことができない。
日本の中学柔道課程の設置は、生徒たちの体力を鍛えると同時に、そこに含まれる「礼」の精神を学ばせることが目的である。しかし、柔道の「デスゲーム」化については、文部科学省も予測できなかったことだろう。文部科学省は、この事実と真剣に向き合い、早急に専門の柔道指導教員を採用する等の関連措置を採り、今後の事故防止に努めていくべきである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年3月17日