赤坂憲雄教授
日本の学習院大学文学部教授、東日本大震災復興構想会議委員の赤坂憲雄教授は28日午後、北京の日本学研究センターで「震災で大きな被害を受けた東北の風土や人々が育んできた文化の特色とその魅力」という題目で演説を行った。
赤坂教授は冒頭で、「中国の皆さんから今回の震災にさまざまなご支援をいただいたことについて、心より感謝を申し上げます」と挨拶した。
赤坂教授は演説の中で以下のように話した。人口流出、過疎化、少子高齢化など日本社会が持っていた様々な問題が震災でむき出しになった。50年後日本は、人口が急激に収縮して8000万人になり、4割を越える高齢者を抱える社会になる。特に東北地方は人口が半減する地域が出現するなど、とりわけ厳しい状況に直面する。日本列島は人口や経済力の頂点にあるときに東日本大震災に遭遇したとも言える。こういう状況の中で、8000万人の日本列島を思い描きながら、新たな人と自然の関係を構想し直す必要がある。
日本のこれからのエネルギー政策について、教授は「日本列島のような国土が狭く、災害が多発する風土で、原発というエネルギーの生産システムでは支えきれないと感じた」と語り、自らが政府の東日本大震災復興構想会議で福島県自然エネルギー特区構想を打ち出したことを明らかにした。具体的には、福島県を再生可能エネルギーの特区にし、放射能の除染、医療体制の整備、再生可能エネルギーという新産業の育成などを行う。
さらに、赤坂教授は具体的な例を上げ、自然を思いのままに操って支配することはできず、泥の海から作られた水田も浜辺の鉄筋コンクリートで作られた高い堤防もいずれ津波に飲み込まれ、災害を完全に防ぐことはできないため、「防災」ではなく「減災」に考えを変え、新たな人と自然の関係を構築し、「8000万人の日本列島」を前提に復興のシナリオを創る必要があると強調した。
会場の様子
北京日本学研究センターの学生、日本を研究する専門家、ジャーナリストなど100人余りが演説を聴いた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年3月30日