日本人女性が化粧を好む理由はどこにあるのだろう。これは日本が男性中心社会であることと関係し、男性を喜ばせようとしているからなのか。だが、奇妙なことに、歴史をひもとくと化粧が流行る社会では女性の力が強力であったことがわかる。中国の唐王朝がよい例だ。このほかにもビクトリア時代の英国や18世紀のフランスが挙げられる。日本は最も特殊で、時代の変遷に関らず、平安時代の貴族から芸者、現代の女性に至るまで、一貫して化粧が流行り続けているのだ。
しかも、世界各地でさまざまな形でフェミニズムが発生し、中国でもいつからか女性が天の半分を支えるようになった。しかし、日本人女性はあまり熱心に自分の女性としての権利や男性との優劣を主張していない様に見える。もっといえば、日本人女性は世界の多くの国よりも開放度が高いといえるが、これは本当の男性中心の世界では考えられないことだ。どこかおかしくはないだろうか。
世界中で男性と女性が争って、女性は男性と平等の労働機会を獲得してきた。日本人女性は初めからこの機会を勝ち取ろうとは思っていないようだ。彼女たちは家庭で男性に仕え、男性は一生懸命働いて銀行口座に金を入れる。日本人女性の立場はもともと日本社会を理解していない人が思うほど低くないといえるのではないか。アジアの伝統的な社会では相当に高いのではないだろうか。