領土・領海関連の書籍が日本でブーム その背景は?

領土・領海関連の書籍が日本でブーム その背景は?。 最近不景気の日本の出版業界で、領土・領海関連の書籍が数多く出版・再出版されている。20世紀のバブル崩壊後の日本経済は下り坂をひた走り、「失われた10年」「失われた20年」を経験、GDPでも中国に抜かれた。経済状況が政治分野、不穏な政界、首相の頻繁な交代に反映されている…

タグ: 尖閣,竹島,北方領土,領海,日本

発信時間: 2012-05-09 16:37:23 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

最近不景気の日本の出版業界で、孫崎享元防衛大学教授著『日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土』(筑摩書房)、山田吉彦東海大学海洋学部教授著『日本の国境』(新潮社)、同『日本は世界4位の海洋大国』(講談社)、同『驚いた!知らなかった 日本国境の新事実』(実業之日本社)、評論家・保阪正康氏と京都産業大学教授の共著『日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島』(角川書店)、西尾幹二電気通信大学名誉教授とジャーナリスト・青木直人氏の共著『尖閣戦争』、評論家・保阪正康著『歴史でたどる領土問題の真実』(朝日新聞出版社)など領土・領海関連の書籍が数多く出版・再出版されている。

日本が中国の領土である釣魚島を「尖閣諸島」に改名してから、自国の領土の問題として取り扱っていることについて、ここでは触れないでおきたい。なぜなら、「12歳の日本人」(マッカーサーの言葉)の思考からすれば、名前を変えれば他人のモノでも自分のモノとなるからだ。ここで問題にしたいのは、日本がなぜ領土・領海関連の書籍を今になって集中的に出版しているかだ。

(1)日本の勢いが衰えている証。

20世紀のバブル崩壊後の日本経済は下り坂をひた走り、「失われた10年」「失われた20年」を経験、GDPでも中国に抜かれた。経済状況が政治分野、不穏な政界、首相の頻繁な交代に反映され、09年にはついに2大政党が交代したが、民主党政権は国民を大きく失望させた。自らの誤った選択への後悔から、国民の中には失望や呆然とした感情が漂っている。経済・政治全体が衰退する中で、希望が見出せないのだ。日本の評論家、保阪正康氏は「歴史でたどる領土問題の真実」の著書の中で、「領土問題の歴史を振り返ると、国が国威喪失、国力衰退する時には必ずライバル国への暴論や偏った言論が出る」としている。

(2)日本が外圧に対抗しようとしている証。

日本の政治・経済が衰える一方、中韓ロはいずれも勢いよく成長している。30年の発展で中国のGDPは日本を抜き、世界2位となった。産業構造の面で日本と似ている韓国も金融危機からいち早く抜け出し、日本経団連は2013年にインド、2030年には韓国がGDPで日本を抜くと予測する。ロシアは長い休息を終え、再び台頭してきている。こうした環境にあって、中国の漁政船は釣魚島(日本名・尖閣諸島)の巡視を常態化、韓国・ロシアは実効支配する竹島・北方領土への開発に力を入れるなど中韓ロはいずれも領土・領海の守りを強化している。日本はこれまでにない「外圧」を感じ、国民に「危機感」を持たせ、国民の圧力に対抗する意識と行動を促している。

(3)米国との同盟強化の証。

日米軍事同盟はずっと一枚岩ではなかった。米国は同盟関係があるからといって、ロシアや韓国に実効支配されている領土を取り戻す手助けをしたことがない。冷戦後、米国の権勢はピークに達したが、経済的には思うにまかせず、米国の軍事行動に日本を「従属」させる必要があったが、日本が「自発的」に行動するのは望んでいなかった。それに日本は不満を持ち、隣国と領土問題を起こしては米国に態度の表明を迫り、米国をそれで束縛し、日米軍事同盟の「主従関係」を変えようとしている。

領土・領海関連の書籍ブームにはこうした背景がある。ただ、民意を扇動するブームはもろ刃の剣で、隣国関係だけでなく、最終的には自らをも傷つけることになる。

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