野田佳彦首相は4月29日から5月2日の3日間、米国を訪問した。首相主任後初の訪米で、09年に民主党発足以来、両国首脳がワシントンで正式に会談するのは初めて。野田内閣の支持率が下落する中での重要な外交活動となった。
野田首相とオバマ米大統領は今月1日に会談後、「未来に向けた共通のビジョン」と題した共同声明を発表した。小泉純一郎前首相とブッシュ前大統領の共同声明発表以来、日米両国の共同声明は6年ぶり。
共同声明には「中国」の二字はなかったが、日本時事通信社は、安全保障問題の関連内容は中国を念頭に置いていると指摘。日米両首相の会談の内容は冷戦思考に満ちていた。
オバマ大統領と野田首相は「日米中戦略対話」の重要性に言及したものの、同時に中国はいわゆる「国際ルール」を遵守すべきだと強調。これは冷戦思考における「強権政治」をまさに体現している。
次に今回の日米首脳会談において、「両国の防衛協力のさらなる強化」、特に中国に対する「共同偵察」の強化を再度明確にした。近年、日米両国は中国との積極的な協力を主張する一方、別の場所では「中国脅威論」を宣伝している。こうした「中国脅威論」が繰り返されるのは日米の「冷戦心理」の突出した表れともいえる。日米は自衛隊と在日米軍の大規模な再編を行いつつ、軍事協力を強化し、海外で積極的に軍事基地を建設し、中国に対抗する第1列島線と第2列島線を再構築しようとしている。