最後に、日米の「冷戦思考」は大きな変化と発展を遂げたのに気づく。20世紀の米ソが単独で対立していた冷戦方式に比べ、今の日米は「集団作戦」を重んじている。具体的には、「日米+1」で、第三国を対中勢力に引き込んでいる。日印、米印の2国間協議は3国間協議に移行し、会談の議題の多くも中国に関わる。南アジアのミャンマー、中央アジアのカザフスタンでは、中国との事業協力に日米が干渉してきている。東南アジアでは、日米がフィリピンと中国との領土問題を直接挑発し、米比合同軍事演習や軍事基地の建設、武器売却などを通じてフィリピンの後ろ盾となり、中国に対抗させている。
野田首相は帰国後、「(今回の訪米は)確実に実りがあった。ゴールデンウイーク後半は静かに考え事をする」と得意げに自らのブログに書き込んだ。しかし、真剣に考える必要があるのは野田首相だけではない。「日本は今後どう歩むか」「今後のアジア太平洋の新たな動向」「冷戦思考の世界の発展に対する影響」――これらすべてを中日両国、アジア全体がじっくり考える必要がある。(日本新華僑報 蒋豊編集長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月10日