中日国交正常化40周年 経営労働評論家・奥井禮喜のコメント

中日国交正常化40周年 経営労働評論家・奥井禮喜のコメント。 1971年に中国が国連における合法的な地位の回復を果たされ、アジアの世紀が開くという予感がしました。翌1972年長く待望した日中関係が正常化され、心躍りました。両国関係正常化に心血を注がれた先人を決して忘れません…

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発信時間: 2012-05-28 15:48:54 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

19世紀半ばから、外国の侵略、辛亥革命、日中戦争、中華人民共和国創立、その後の苦闘を克服し改革開放へ。2世紀近くの期間、中国の方々の歴史は不撓不屈の言葉がふさわしい。私はその逞しい精神に心から敬意を表します。

1971年に中国が国連における合法的な地位の回復を果たされ、アジアの世紀が開くという予感がしました。翌1972年長く待望した日中関係が正常化され、心躍りました。両国関係正常化に心血を注がれた先人を決して忘れません。

私が何ごとかを思索するとき、いつも漢字を通して考え、漢字を書いて考えます。漢字が持つ豊かな言葉の意味抜きに私の表現は存在できません。はるか昔、漢字を伝授されたことに対して、感謝を表現する言葉が見つかりません。長い期間を通して、漢字の意味が異なっているものが少なくありませんが、文字に接するたびに中国を身近に感じます。

中国の古典をたくさん読みました。言葉の宝庫、人間知性の宝庫であり、わが国の数多の先人が中国研究者として没頭された理由がよくわかります。

辛亥革命前後の中国でおおいに民主主義研究が進んでいたことも痛感します。章炳麟の「大独は必ず群する」という言葉は、独すなわち自我であり、群するというのは西洋の社会的自我に共通します。自我が単なる自我ではなく、社会的自我であればこそ、今日の中国パワーが発揮されているに違いありません。

同じ時期、夏目漱石も「自分の存在と他人の存在を同じく尊重するのが西洋の個人主義(社会的自我)である。」と喝破しました。その思想がもっと一般に敷衍していれば歴史は変わっていたのですが。

P・ヴァレリーは第一次世界大戦後「精神の危機」を書きました。精神が堕落すればお終いだ。人間は常に理想を掲げて、常に先人を学び、理想の実現に向けて尽力しなければならない。それを失念したとき精神の堕落が始まるというのであります。

私は魯迅が好きです。魯迅は「掙扎」(そうさつ)という言葉が好きでした。がんばる、もがく、あがく----の意味で、抗いきれない力に対しても抵抗し続けました。未来志向、確固たる理想を確立していたからでしょう。

王道という、覇道という。王道はかつて達成されたことがない。王道への道は、各国がまさに国民の福祉充実の競争に鎬を削るとき開くのではあるまいか。あの国は福祉が結構だからとして疑心暗鬼になることはないでしょう。

私は中国に親友がいます。胸襟開いて話し合える心友であります。私たちの関係は、ささやかな王道であります。

この40年も両国関係は順風満帆ではありません。これからも予期せざる厄介が発生するかもしれません。しかし、《まともな人間》が意志堅固に信頼感を維持すれば恐れるに足らずだと確信します。(文=奥井禮喜氏)

奥井禮喜氏のプロフィール

有限会社ライフビジョン代表取締役

経営労働評論家

日本労働ペンクラブ会員

OnLineJournalライフビジョン発行人

週刊RO通信発行人

ライフビジョン学会顧問  ユニオンアカデミー事務局

1976年 三菱電機労組中執時代に日本初の人生設計セミナー開催。

1982年 独立し、人と組織の元気を開発するライフビジョン理論で、個人の老後問題から余暇、自由時間、政治、社会を論ずる。

1985年 月刊ライフビジョン(現在のOnLineJournalライフビジョン)創刊。

1993年 『連帯する自我』をキーワードにライフビジョン学会を組織。

2002年 大衆運動の理論的拠点としてのユニオンアカデミー旗上げ。

講演、執筆、コンサルテーション、インターネットを使った「メール通信教育」などでオピニオンを展開し、現在に至る。

高齢・障害者雇用支援機構の「エルダー」にコラム連載中。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月28日

 

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