台湾のトレンディドラマ「我可能不会愛你(君を愛しないかもしれない)」から広まった流行語「初老症」。ネット上では「初老症」を以下のように定義している:生活や仕事の負担が重なり、若い世代に見られる心の老化のこと。目新しいことに興味を抱かなくなり、思考が消極的になり、身体的能力にも衰えが出てくるらしい。
こうした現象は、中国の80後(1980年代生まれ)に現れている、と言われているが、実は日本の若者にも共通している。中国のネット上で話題になっている「初老症状50条」とは主に以下の現象を指す:「なんとなく朝早く目覚める」「カラオケ人気上位曲にランクインされている曲がまったく歌えない」「最近のことは忘れやすいのに、昔のことはよく覚えている」などだ。
日本の毎日コミュニケーションズが運営するポータルサイト「COBS ONLINE」は、「年とったな~と感じる瞬間は?」というテーマで20代の読者にアンケートを取っている。「太りやすくなった」「逆上がりができなくなった。逆上がりをすると気持ち悪くなる」「物忘れが激しい」などの回答は、中国の「80後」の症状と似ているところが多い。
若者が「初老症」に罹る原因の多くが中日間で似通っている。中国の「80後」は、就職してから何年にもなるが、住宅価格や物価、生活費だけが上昇して、所得がなかなか伸びない中で、心に大きな不安を抱えている。
中国では今年、最後の「80後」が大学卒業を迎えるが、同じく状況は深刻だ。上には「富二代(事業成功者の子女)」「官二代(政府高官の子女)」がおり、下には裕福で見目麗しいイマドキの若者「90後」が控えている。「初老症」に罹る「80後」の多くは、上には上がれず、下からは今にも追い落されそうな社会の中で、不安定な立場に立たされている。