より根本的な原因は、日本の診療報酬制度だろう。厚生労働省は全国統一の制度を制定し、薬品や検査の費用が医療機関の収入の大部分を占めるようになったが、問診費はごく一部だ。つまり医師の患者に対する問診時間が長くなれば、病院が損をすることになる。それとは逆に、患者を検査漬け、薬漬けにすれば、病院が大儲けをすることになる。
日本医師会は政府に対して改革を再三求めているが、日本の各利益集団に影響が生じるため、政府は要請を無視してきた。日本社会は、「政・官・商」による抑制を受けている。政治家は製薬・医療機器産業の発展により手柄をあげ、官僚は製薬・医療機器メーカーの利益を守り、関連企業はより多くの収益を得ることで発展を持続する必要がある。そこで「過剰医療」が必要となるわけだ。日本医師会は、政府が故意に「独自基準」を設定し、患者を増やすことにより、人知れぬ目的を達成しようとしているのではと懸念している。
日本政府は近年、医療費が日本社会の重荷となっていると喧伝し、さらにはこれを増税の口実としている。その一方で、膨大な医療費の原因となっている「過剰医療」は、政府が故意に生み出している可能性が高い。「過剰医療」による弊害は、費用の浪費だけではない。健康な人が病人とされれば、さまざまな検査と薬品による副作用で健康を損ねる恐れがあり、心理的なプレッシャーも無視できない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年10月8日