選挙に向けた政治的需要によるものか、それとも注意不足によるものかはさておき、野田首相による旧日本軍の用語の使用は無責任であり、浅はかで理不尽な人格を世にさらすことになった。
自衛隊が14日に開催した大規模な観艦式において、野田首相は自衛官に向けた訓示の中で、「一層奮励努力」等の旧日本海軍が第二次世界大戦前に使用した用語を用いた。これに対して、反発の声が上がっている。
野田首相による観艦式の参加は、自衛隊の年間定例行事である。しかし中韓との領土問題を巡り敏感かつ重苦しい雰囲気が漂う中、野田首相の訓示の内容と言葉の調子は、3カ国のメディアと世論から注目を集めていた。この状況下、野田首相が訓示で使用した用語は、特に耳障りなものに聞こえた。
首相就任から1年が経過した野田首相は、なぜ自分の発言と行動のすべてが国内外から注目される敏感な時期に、わざわざ耳障りな発言をしたのだろうか。
その最大の目的は選挙に向けた政治的需要であり、民主党内で自らを支持する右翼勢力の基盤を固め、低下が止まらない支持率を引き上げる狙いがあった。周知の通り、野田首相が昨年9月に就任してから、内閣の支持率が下がり続けている。
内政で苦境に立たされ、外交ではさまざまな問題に直面しており、野田首相は手も足も出ない危機的状況まで追い込まれている。野田首相はこの状況下、「言葉の戦術」により国民の目を引きつけ、侵略戦争時の用語により右寄りの国民に迎合することで、選挙に向けた政治基盤を固めた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年10月17日