中日韓3カ国の政権交代が完了した。朴槿恵(パク・クネ)氏が青瓦台(大統領官邸)入りするのは来年だが、新たな指導者らはすでに国家管理の職責を担い始めている。中日韓の指導者が最も注目するのは、国民の幸福に関する問題だ。これは些細な問題に見えるが、実際には政治モデルチェンジのバロメータである。国民の幸福を真の意味で重視できる国こそ、真の意味で「民国」になることができる。
パク氏は勝利後、大統領当選者として行なったスピーチの中で、「大韓民国の持つ実力を存分に発揮し、全国民の幸福と100%の大韓民国を実現する。これは我々の夢と希望だ」と述べた。これは奇しくも、習近平氏が中国共産党総書記に当選した際の、「人民の美しい生活に対する憧れは、我々の努力する目標だ」というスピーチ内容と一致する。安倍晋三氏は総選挙勝利後、物価目標を2%に引き上げ日本経済を刺激することを強く求めた。
2012年の北東アジア情勢は不安定化し、釣魚島(日本名:尖閣諸島)、独島(日本名:竹島)、朝鮮のミサイル打ち上げが、地域情勢に衝撃をもたらした。しかし中日韓の指導者が注目しているのは、国内の経済・社会問題である。これは国内の政治・社会が安定・調和してこそ、余裕を持って外交問題に当たれるという、単純な道理を反映している。
中日韓の政治体制は異なっているが、新たな指導者は政権運営目標を国民の幸福に定めた。これは北東アジアの政治の深いモデルチェンジを意味している。「日常生活」の政治が、感情あふれる「大政治」に代わりつつあり、指導者は国民の生活の些末事に注目している。これは「民主」に対する実践でもある。中日韓3カ国は近代、革命と戦争の苦しみ、暴力と意識の相互作用を経たが、これにより政治にあふれんばかりの感情と悲劇的ムードが満ちた。日常生活に根ざす政治は、政治を些細なつまらないことにするかもしれない。しかしこれは国民の幸福のためである。