小倉和夫氏は、東京都出身の外交官で、東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会評議会事務総長である。
王敏先生は、中国の比較文学者、日本文学者で、法政大学の国際日本学研究所教授である。
2012年12月27日、王敏先生は小倉和夫氏と対談し、東京2020オリンピック・パラリンピック招致、中日関係について意見を交わした。以下はその一部分である。
王敏先生(以下敬称略、王):
東京オリンピック招致の成功については、中国はもちろん楽しみにしていますし、隣国ですから同じアジアとして飛躍だと受け止めていますが、震災後の日本の復興ということ、それを背景として心配している点もあります。やはり震災は日本にとって大きな災難でしたから、たとえば電力とかエネルギーとかいろいろな面において今後も打撃を避けられないことなので、このような状況が特に経済面において、オリンピックの開催および招致に影響を与えるようなことがないでしょうか?
小倉和夫氏(以下敬称略、小倉):
東京はもちろん震災の影響を受けましたけれども、直接的な被害はほとんどありませんでしたので、オリンピックは日本主催ではなく東京都主催で、オリンピック競技場はほとんどすべて東京都のものを使い例外はサッカーだけですから、震災の影響は心配したことがございません。
予算については、震災復興のためには資金が必要ですが、オリンピックのための資金は東京都が実に震災が始まる前に数千億円の資金をオリンピック用として理財し始めていました。復興ための予算とオリンピック予算は矛盾しない状況になっています。