「イケダハヤト」という名前はてっきりペンネームかと思っていた。なぜなら、「国民所得倍増計画」を唱えた首相・池田勇人と同じ名前だからだ。だがイケダハタト氏は「実名なのです。私が生まれた時、親は池田元首相のような政治家になってほしいと思ったのかもしれませんね。でも私にはそんな能力はないし、会社勤めすら不満だらけでした」と残念そうに述べる。
脱サラ後、ライターとして第二の人生を歩み始めたイケダハヤト氏。150万円という年収では確かに生活は苦しいが、それでも楽しい、と思うそうだ。毎日3食を自炊すれば食費はかなり浮く。酒もたばこも止め、お金をなるべく使わずに済むようにすればよい。金を稼ぐためだけに仕事をするのはつまらないことだ、と主張するイケダハヤト氏は「今の生活にとても満足している」と言う。
一方、大学卒業後、大企業に就職した石井貴子さんは、イケダハヤト氏が歩むはずだった会社中心の生活に不満を漏らす。「毎日、会社を出るのは夜9時ごろになります。仕事が多くて忙しい、というのもありますが、上司が帰らないと新入社員も帰りにくいのです。みんな、昼に出来る仕事をわざと夜に持ち越すんです」と述べ、「こんなの本当にナンセンスですよね。みんな早く帰りたいのに・・・」と愚痴をこぼしている。
日本の終身雇用制度はもう過去の産物となっている。そして、若者の就業の選択肢が増えれば、これからの職場のあり方も大きく変わっていくに違いない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年1月18日