「90歳になって詩を書き始めて、日々の生活が味わい深くなりました。身体は老いて衰えたけれど、眼光鋭く人間を見通していきたい・・・(大意)」世の中の苦難を乗り越えてきた日本のおばあさん、柴田トヨさんは92歳で詩を書き始め、99歳の時に処女作となる詩集を出版した。この作品は日本で大人気となり、150万部を売り上げた。
日本最高齢の詩人だった柴田トヨさんは、今年1月20日午前0時50分、老衰で宇都宮市内の老人福祉施設で逝去した。101歳だった。第一次世界大戦、第二次大戦、バブル経済、そして経済破綻などさまざまな社会の荒波を経験し、世間の苦労を味わってきた。2003年、柴田さんは92歳の時、腰を悪くして大好きだった日本舞踊が踊れなり、息子の健一さんの薦めで詩を書いて、産経新聞に投稿するようになった。徐々にトヨさんの詩は新聞の販売数にまで影響するようになった。その後、彼女の詩はラジオ番組「ラジオ深夜便」で紹介された。忙しく毎日を送る人々に、彼女の詩は温かく届いた。
2010年、柴田トヨさんは処女作となる詩集「くじけないで」を発表、おもいがけず日本でこの年最高の売り上げの1冊となった。2011年に東日本大震災が発生したときには、NHKは彼女を招き詩を朗読してもらいテレビで放送した。すでに100歳を超えた高齢の女性がどうどうとステージに上がり、温かく、力強い詩句と声を届けた。悲しみに沈んでいた日本人は彼女の声に感動し、絶望から立ち上がる力を得た。
彼女の透き通った力強い詩句は、日本の多くの読者の心を震わせ、津波で傷ついた1億人の日本人を慰めた。柴田トヨさんは宇都宮市から特別栄誉賞を贈られた。中国でも近日、この「くじけないで」は読客図書社から翻訳出版される予定だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年1月23日