ソニーの米国本部ビル
ソニーは目下、非コア業務削減などで会社全体の戦略を調整している。米国本部ビルの売却もその一環だ。
米国時間17日、ソニーは米国本社ビルを米不動産大手のチェトリット・グループを中心とする財団に売却することで合意したことを発表した。売却額は11億ドルで、約6億8500万ドルの売却益となる。3月中には取引を完了する予定だ。
11億ドルという数字は、ここ数年米国で売却された単独ビルとしては最高記録となった。
この朗報により、18日のソニー株価は12.21%上昇、2008年10月14日以来、1日当たりの上昇率としては最大の数字となった。
2億ドルをかけて建設された37階建てのこのビルはニューヨークマンハッタンマジソン・アベニュー550番地に位置し、七階分の高さを持つ壮大なアーチ状のエントランスが特徴的で、1983年から使用している。当初はAT&T本部のもので、ニューヨークで10年続いた市政混乱と企業撤退ラッシュを経て復興を遂げたシンボルである。
ニューヨークタイムズによれば、ソニーは2002年に2.36億ドルでこのビルを購入。ソニーは売却後も最長三年間はテナントとしてビルに留まり、米国本部の移転先については未定としている。
また、昨年12月には21名の入札者が小売店やホテル、事務所用途等を含むさまざまな計画を提出していた。取引合意の数日前、ソニーは4社の指定業者と同時に話し合いを行っており、これらの指定業者の提示価格はみな10億ドル以上だったという。