12日午前0時になると、書店の店長が新刊の上に覆われていた赤い布を取り去った。そして店員が一言「どうぞ」と言って、書店の第1冊目の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」がついに正式に発売された。
その場で見ていると、一気に3冊購入する客もいた。同書店の香月孝之店長は「発売後10分で、一気に30冊、30分で50冊売れた。30分過ぎた後も、継続して人がやってきて買っていく」と説明。記者が書店を去ったのはすでに午前1時頃だったが、客はまだ次々とやってきて新刊を買い求めていた。
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は村上春樹氏が2010年4月に「1Q84 BOOK3」を発表して以来3年ぶりの長編小説とあって、事前予約が殺到。出版元の文芸春秋社はすでに50万部発行することを決定した。日本のメディアによると、日本の文芸小説の初版は数千冊が基本であり、ベストセラー作家の作品であっても、数万部がいいところだという。しかし村上春樹氏の新刊の初版は30万部以上であり、事前予約に基づいて3刷が決定し、すでに50万部に達している。新刊の出版発行数が100万部を超えるのは間違いないだろう。出版業界人と村上春樹ファンたちの関心は100万部突破するのにどのぐらい日数がかかるかということに寄せられている。今回の新刊は、発売されるまで内容が全く明かされなかったことが、読者たちの期待をより高めた要因と見られている。
「人民網日本語版」2013年4月13日