フィリピン軍の高官が虚勢を張り周辺の緊張ムードを演出していることを知りながら、米国はフィリピン軍と「離島奪還」訓練を実施する一方で、敏感な時期に原子力空母を南中国海に派遣した。安倍政権はさらに「積極的」で、フィリピンの沿岸警備隊に10隻の巡視船を早期提供すると表明し、南中国海で中国に対抗するためフィリピンの海上巡視能力の増強に力を貸している。それでは、米日は南中国海にどのような駒を進めようとしているのだろうか。
軍事専門家の羅援少将は本紙記者に対して、「釣魚島(日本名・尖閣諸島)にせよ黄岩島(スカボロー礁)にせよ、米国は一方の肩を持とうとしている。日本からはさらに、『魏を囲んで趙を救う』(一報をけん制しておき、他方を救う)の意図が伺える」と分析した。
羅少将は、「1898年より、フィリピンは長期的に米国の植民地であった。フィリピンの版図がどれほど広いか、領海線がどこに引かれているかについて、米国は知り抜いている。それでは中国とフィリピンの黄岩島における対峙および仁愛礁事件において、米国はなぜフィリピンの後押しをしようとしたのだろうか。それは米国がフィリピンに肩入れすることにより、南中国海でいざこざを引き起こし、中国の戦略的注意力をかき乱し、中国の平和的な台頭を妨害しようとしたためだ」と分析した。
羅少将は日本政府がなぜ南中国海問題に「積極的に介入」するのかという問題について、「日本政府のこの措置には、『魏を囲んで趙を救う』の意図がある。釣魚島の係争が日本を苦境に陥れたのだから、南中国海でフィリピンの中国挑発に力を貸し、自国の釣魚島問題のプレッシャーを緩和しよう。これが日本の心理だ。日本には、フィリピンの係争を通じ中国をけん制しようという、別の狙いがある」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年6月3日