(四)歴史に対して責任を負う。ドイツはナチスの迫害者、特にユダヤ人に対して経済的な賠償・補償を提供している。またナチスの罪は金銭によって補償できるものではないが、これにより被害者の痛みと苦しみを和らげられればとしている。
(五)戦後の国際協定を尊重し、戦後の国境を認め、領土に関する要求を放棄している。ドイツとポーランドは1970年にワルシャワ条約を結び、オーデル・ナイセ線を永久の国境とした。ドイツ連邦は1973年にチェコスロバキアとプラハ条約を結び、1938年にナチス・ドイツによるズデーテン地方の併呑、チェコスロバキア全体への侵略を招いたミュンヘン協定が無効であることを宣言した。1990年のドイツ統一後、隣国に対して領土に関する要求はないことを重ねて表明した。
(六)平和発展の道を歩み、一体化された欧州に加わり、その制約を受けることで、隣国のドイツの新たな台頭に対する懸念を和らげた。西欧諸国は1950年代に欧州石炭鉄鋼共同体を設立し、西欧一体化の推進を開始した。その重要な目的は、再び台頭すると思われるドイツを抑制し、隣国の脅威とさせないことだ。ドイツの指導者はそのことをよく理解しながらも、この制約を受け入れると同時に、ドイツは「特殊な道」を歩まないと宣言し、「欧州のドイツ」になった。
数十年が過ぎたが、ドイツの心からの反省を示す言行は、かつて侵略された国家の理解と信頼を勝ち取り、欧州一体化の中堅の力となった。(梅兆栄:元中国駐ドイツ大使)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年6月17日