中国の上述した関係は、このほど急速な発展を実現した。これとは対照的に、安倍首相の「民主・安全ダイアモンド」構想は、各国からの反応を得ておらず、少しの「反響」さえも聞かれないほどだ。安倍首相は21世紀に生きながらも、その頭が冷戦時代にとどまっていることが、その根本的な原因だ。この時代遅れで古臭い考えでは、安倍首相の外交が「袋小路」に陥ることは間違いない。
(1)冷戦思考が、安倍首相の主な思想的「重荷」となっている。安倍首相は、「日本が頑張らなければ、南中国海の自由な航行が著しく脅かされ、日米海軍は南中国海・東中国海の公海に入れなくなる」と大げさに語り、米国が朝鮮戦争・ベトナム戦争を引き起こした際の「ドミノ効果」を指しているかのようだ。
(2)協力の代わりに対抗しようとする安倍首相のやり方は、時代の流れに逆行している。安倍首相は「セキュリティ・ダイアモンド」の構築により中国を包囲し、中国の発展を抑制し遅らせることで、日本の「再興」を図ろうとしている。グローバル化の現在、安倍首相の中国孤立のやり方は、日本自らを孤立させるだけだ。
(3)安倍首相は新機軸を打ち出し、いわゆる「民主・安全ダイアモンド」の枠組みを提唱し、米国の一部であるハワイをその構成部分としている。これは米国と対等に振舞おうとするものであり、また米国の分裂を図る嫌いがあり、受け入れられるはずがない。
安倍首相が思想的な重荷を下ろし、時代遅れな考えを捨て去らなければ、日本は自らに設けた外交の「袋小路」から永遠に抜けられない。「貢献」の力が大きいほど、ますます孤立化するだろう。(筆者:呉正竜・中国太平洋経済提携全国委員会副会長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年7月4日