日本の安倍晋三首相はマレーシア、シンガポールに続き、26日夜にフィリピン訪問のためマニラに到着。27日には、円借款の形でフィリピン沿岸警備隊に巡視船10隻を供与することを発表した。専門家は、フィリピンと共同で中国に対処することが目的だと指摘する。新京報が伝えた。
■フィリピンの慰安婦組織:求めているのは正義、軍艦はいらない
安倍首相はアキノ大統領との会談後の記者会見で、日比関係強化に向けて経済の共同発展、海洋安全協力の強化、ミンダナオ和平支援の強化、民間交流の促進という4つのイニシアティブを表明した。
アキノ大統領は日本政府からフィリピン沿岸警備隊への多機能巡視船と通信システムの供与に謝意を表した。
日本高官によると、安倍首相はフィリピン側に都市のインフラ整備、フィリピン人看護師の受け入れ、両国間の定期便の増加を含む包括的提案を行なった。また、災害に備えて100億円を供与することも表明した。
同日、フィリピンの慰安婦組織が大統領府近くで抗議デモを行なった。彼女らは「私たちが求めているのは正義、軍艦はいらない」と書かれたプラカードを高く掲げ、アキノ大統領に対して、第2次大戦中にフィリピン女性を強制連行して陵辱した日本軍の悪行を忘れず、彼女らが「明確な謝罪」と政府による賠償などを求めていることを日本政府に伝えるよう求めた。
■海上戦略通路の安全を確保するためか
日本が専門の楊伯江・中国現代国際関係研究院教授は「2011年にアキノ大統領が訪日した際、日本側は沿岸警備隊施設の建設支援を含む援助を約束した。今回の安倍首相の訪問は約束を履行した上で追加援助を行なうものだ」と指摘。安倍首相の戦略的意図として▽日本の海上戦略通路の安全を確保する▽中国と地政学的競争を繰り広げる▽フィリピンなど中国と紛争を抱える国々を抱き込み、東中国海問題と南中国海問題で策応し、共同で中国に対処する--を挙げた。
安倍首相は27日、参議院選挙での自民党の勝利を利用して、東南アジア地域で戦略外交を一段と推し進める考えを表明した。楊氏によると、これは始まりに過ぎない。
今年に入り、安倍首相は東南アジア地域をすでに3回訪問している。また、閣僚複数がフィリピンを訪問している。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年7月29日