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◇日本の自衛隊は海空で依然優位
中国の空母「遼寧」が服役した。この他にも空母を建造しているという情報があるが、中日の軍力争いに逆転が生じることはあるかと尋ねると、田母神氏は、中国がもし本当に空母を保有すれば、この状況は変わるという。しかし、空母は定期的な船渠のメンテナンスが必要で、これを怠れば使用できなくなる。空母は特殊な船艦だと田母神氏はいう。
一般的に、空母は交互に修理するために3隻以上の同じ型の空母がなければ維持できないとされる。目下、中国にはソ連の「ヴァリャーグ」号を改造した空母「遼寧」しかなく、これも装備が古く訓練をするには難しい状態にある。実戦ともなれば話にならない。この他、空母自身の防御及び空母編隊全体の攻防情報指揮システムの統合など、中国は到底できない。今後10年以内に実戦でこれらができるかどうかは未知数だ。
通常戦力でいうなれば、目下日本の海空軍備力の質の優位性は中国軍備力の数の優位性を撃退することが可能で、中国の空母は短期的に見ると戦闘力にはならない。日本の陸空海自衛隊の訓練は堅実で、中国の兵士の能力と訓練強度は遥かに自衛隊に及ばない。この他に、日本の自衛隊は駐日米軍と定期的な近代的海空実戦演習を行っており、経験は中国軍隊より豊富だ。また、日本には100機の巡回機と遠距離早期警戒レーダーがあり、海空戦で最も重要な「目」の役割を果たす。近代化作戦において、中国に制空権と制海権の優位性はない。
中国空軍が現在行っている訓練は自衛隊の30年前の訓練である。「右旋回」、「上昇」といった飛行指示を無線で地上からパイロットに伝えているが、こうした訓練では近代的訓練を受けた自衛隊を打ち負かすことはできない。一旦電波を妨害されれば、無線に噪音が入り、指示ははっきり聞こえなくなり、戦闘不可能に陥る。現在の中国空軍のレベルはこの程度なのだ。
田母神氏は退役してから5年になるため、一部の内情を明かすことが許される。日本の自衛隊は偵察衛星の映像から、偵察機や情報収集機を送り、絶えず中国軍の動向を探ることが可能だ。電話や無線などの通信を監視することで、中国空軍が行う訓練も把握することができる。
日本の航空自衛隊には、高度なスキルを持ち合わせたパイロットで編成された飛行指導チームがいる。彼らは他国の戦闘機が採用する戦闘方法を徹底的に研究しており、飛行訓練においては敵の戦闘機役を果たす。第一線で活躍する若手パイロット相手に空中戦を展開し、終了後は若手パイロットに具体的な指導を行う。当然、中国の戦闘機の戦闘方法も研究と分析を行っている。日本の航空自衛隊のこうした技術と演習によって形成された優位性は中国空軍より遥かに勝るものである。そう断言できるのも、田母神氏は幕僚長を勤めていた頃にかつて北京を訪れており、中国空軍の飛行訓練時間と訓練内容が遠く日本に及んでいないという情報を得ているからである。
「空」だけでなく、「陸・海」自衛隊も同じく、とりわけ対潜作戦能力を絶えず向上させている。中国の各種対潜艦は噪音が大きいのに対して、日本の対潜艦は静音性に優れ、長時間の深潜航能力は相当高く、相手の対潜艦に発見されることなく長時間の追跡が可能だ。難易度の高い専門的な訓練も繰り返しており、中国の対潜艦は目的地にたどり着くまでに撃沈されているだろう。
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