林氏は寄稿文の中で安倍首相の声明を繰り返し、靖国神社参拝は日本が二度と戦争を仕掛けないという誓いを繰り返すためであり、戦犯に敬意を表する行為でも軍国主義を賞賛する行為でもないとした。これは非常に不可解だ。ドイツの指導者が、アドルフ・ヒトラーなどのナチスの戦犯が祀られているパンテオン(そんなものがあればの話だが)を参拝したならば、その目的は「ドイツが二度と戦争を仕掛けないという誓いを繰り返すため」であるだろうか?
林氏は、70年前の軍国主義の幽霊はすでに存在しないとしたが、結論を急ぐべきではない。航空自衛隊の航空幕僚長であった田母神俊雄氏はかつて、日本は戦争の被害者であり加害者ではないと発言した。田母神氏が2009年に、靖国神社に祀られている「英霊」を称賛すると、一人のカナダ人が田母神氏にこう質問した。「あなたがドイツでこんなことをすれば逮捕されますよ」田母神氏の身辺の右翼は直ちに、このカナダ人に罵声を浴びせた。カナダ人はその後の数時間、厄介事に巻き込まれた。ただ田母神氏に一つの事実を、人々がドイツでナチスを賞賛できないことを教えただけなのに。
どうやら靖国という「分霊箱」が存在することから、軍国主義の幽霊はまだまだ日本から消え去っていないようだ。(筆者:伍憶 フリーコメンテーター)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年1月10日